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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼7 坂田和江・薬害肝炎検証委員会委員(下)


村重
「それはある種の役人の責任逃れですが、逆に若手中堅ぐらいの役人にとっては、そういう風にコロコロポストを変えさせられることで、自分の専門性が身に付かない。だから天下り問題になるんですよね。つまり専門性を全く持たないまま歳をとると、もう普通の民間で使える人材ではないので、天下りポストを作らざるを得ない構造になっているのです。天下りがけしからんと言うだけではなく、天下りしなくても退職後も自立して働ければ、民間でもどこでも働いてくれさえすればいいんですよね。働かずに給料や退職金をもらうからけしからんと言われるわけで。しっかり働いて人様の役に立てるような、ある程度の専門性を身につけられる人事のローテートにしないと。役人にとっても、国民にとっても、もっといいやり方があると思いますけどねえ」

坂田
「連携ができないっていうか。だからもう公務員自体を、官僚だけじゃなくて、都道府県の職員も含めて、システム的に変更しないといけないと思います。削減削減って言われてますけれど、やはり命に関わる部分については、きちんとした人材を配置して教育も徹底的にやっていくことだと思います。あと一つ、検証委員会で厚生労働省とPMDAにアンケートをやったじゃないですか。あの回答を見てつくづく思ったのは、やっぱり風通しが悪いなあということです。風通しのいい組織じゃないと、いい方向には向かないと思うんですね。このようなアンケートは今後も定期的にちゃんとやっていく、例えば今後監視組織が出来ると思いますが、きちんとそこがやるみたいな。一番は、国民の声を聴くことですが、彼らの声も聴いて組織を変えていくというのがとても必要だと思います。風通しのいいところほど、いい考えも出てくると思いますし」

村重
「そこは情報公開と同じですよね。組織の中でも職員の声を聞いて情報を共有してほしいし、国民にも広く公開してほしいと思いますね」

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