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ニュース〜医療の今がわかる

イレッサ和解勧告で、国立がん研究センターが緊急会見

■ 「副作用を誰かの責任、医療が成り立たない」 ─ 嘉山理事長
 

[嘉山孝正・国立がん研究センター理事長]
 それでは、(資料)2ページ目です。どれぐらい起きているのかということです。西日本胸部腫瘍臨床研究機構の報告、アストラゼネカ社の報告、国立がん研究センター(中央病院)での経験、米国での例が出ております。

 先ほどもお話ししましたように、(急性肺障害の発症率は)日本が大体3~5%ぐらいですが、米国では0.36%。これは先ほどもお話ししましたように、まず日本で最初に承認したお薬でございますので......。

 要するに、治験や臨床研究は非常に安全な人にやるわけです。危険な人には......、初めて使うわけですからできない。従って、それ以外の例えば80歳......。

 私がやっている治験でも、75歳以上は治験に入れない。あるステレオタイプの患者さんを集めるわけです。それで、ある基準をクリアして安全が確認された場合には、薬事を通って販売になるわけです。

 しかしながら、その後、例えば90歳の方に使った場合はどうなのか、というような......。あるいは肝障害がある人の場合にはどうなのかということは世界で誰も分かりません。

 従いまして、市販後調査というものをやります。市販後調査を日本はすぐやりまして......。先ほど、見解の所でお話ししましたように、それで分かったことが、男性とたばこを吸う人、もともと肺に病気を持っている。例えば、肺線維症......。

 大きくその3つがリスクファクターとして、このお薬を使った場合には間質性肺炎になりやすいということを日本がいち早くつかみまして、世界に発信したので、国際的にも......。

 世界で最初にこのお薬を使ったのは日本ですので、世界が......少なくて済んだということが言えるわけです。ですから、「日本が多すぎるのではないか」ということではなく......。

 イレッサだけではなく、どのお薬でも最初に使った国ではそういう副作用が多いわけですね。それを世界にまた還元するというのが医療の......、一般的な薬剤の使い方なんですね。

 従いまして、今度の和解勧告に関しては、細かいことは我々は......、まだ和解勧告書を見ておりませんので分かりませんが、根本的なものとして薬害ではなくて......。

 副作用を誰かの責任にするというのは、医療が成り立たなくなるということでございます。

 次の(資料)3ページ目(添付文書の「重大な副作用」の記載内容)をご覧いただきたいのですが......。
 

【目次】
 P2 → 国立がん研究センターの見解
 P3 → 薬剤性急性肺障害・間質性肺炎について
 P4 → 「副作用を誰かの責任、医療が成り立たない」 ─ 嘉山理事長
 P5 → 「裁判所の判断は自然界を理解していない」 ─ 嘉山理事長
 P6 → 「医療、医学、自然科学が成り立たなくなる」 ─ 嘉山理事長
 P7 → 「私たちは決して対立軸ではない」 ─ 片木代表
 P8 → 「リスクと利益を知った上で患者は闘っている」 ─ 天野理事長
 P9 → 「いかに国民が納得する制度をつくるか」 ─ 嘉山理事長

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