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イレッサ和解勧告で、国立がん研究センターが緊急会見

■ 「リスクと利益を知った上で患者は闘っている」 ─ 天野理事長
 

[天野慎介・NPO法人グループ・ネクサス理事長]
 本日は、貴重な場を与えていただきましてありがとうございます。私から申し上げたい点は2点ございます。

 まず1点目でございますが、副作用についての情報共有というのは、患者も医療者も行政も、適切にかつ迅速に行われるということが大切だな、ということを感じております。

 実は私自身、血液がんである悪性リンパ腫の患者でございまして、10年以上......、10年ちょっと前に発症いたしました。抗がん剤治療、放射線治療を受けまして、治療の過程で私自身も間質性肺炎を発症したという経験がございます。

 ただ、私の場合は放射線治療を受けた結果、間質性肺炎を発症したということで、その結果、倒れまして、救急車で運ばれて治療を受けたということがございました。

 ただ、このことははっきりと申し上げておきたいのですが、私が治療を受ける際に医師から間質性肺炎についてのリスクは説明がありました。ですから、私が間質性肺炎を発症した時には「やはり起きてしまったのか」という思いがあったということを記憶しています。

 間質性肺炎が残念ながら発症することがありますが、ただ、私自身がそこで放射線治療を受けていなければ、今現在、私がこうして皆様の前でお話しすることもできていないということも事実であります。

 リスクと利益を知った上で患者さんは闘っている、ということをぜひ皆様にも知っていただきたいと思っています。

 2点目でございますが、先ほど片木さんからもお話がありましたが、多くのがん患者さんがこの瞬間にも新しい治療を求めて闘っています

 治療には常にリスクと利益が伴うということは言うまでもありませんが、新しい治療を求めている患者さんが必要以上にその受ける医療に制限を受けることがあってはならないと私自身は感じておりますので、安全かつ迅速な承認が阻害されることがないように、患者の1人として希望したいと思っております。

 私からは以上でございます。ありがとうございました。

[加藤雅志・国立がん研究センター広報室室長]
 ありがとうございました。

 
【目次】
 P2 → 国立がん研究センターの見解
 P3 → 薬剤性急性肺障害・間質性肺炎について
 P4 → 「副作用を誰かの責任、医療が成り立たない」 ─ 嘉山理事長
 P5 → 「裁判所の判断は自然界を全く理解していない」 ─ 嘉山理事長
 P6 → 「医療、医学、自然科学が成り立たなくなる」 ─ 嘉山理事長
 P7 → 「私たちは決して対立軸ではない」 ─ 片木代表
 P8 → 「リスクと利益を知った上で患者は闘っている」 ─ 天野理事長
 P9 → 「いかに国民が納得する制度をつくるか」 ─ 嘉山理事長


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