歯科で進む格差医療、いずれ医科も......?
「窓口負担が高いという回答は5割超」「保険の利く範囲を広げてほしいとの回答が9割超」─。
全国保険医団体連合会(保団連)は1月27日、衆議院第2議員会館内で「マスコミ懇談会」を開き、歯科医療に関する市民アンケートの結果を公表した。
それによると、「歯は全身の健康にとって大切」と答えた人が9割以上いたにもかかわらず、治療を放置している人は4割近くいた。治療をしない理由のトップは「時間がない」(52.0%)、続いて「費用が心配」(34.5%)、「治療が苦手」(32.1%)などだった。
この結果を受け、宇佐美宏・副会長はこう述べた。
「歯科は混合診療の宝庫。3割の窓口負担が重いというだけではなく、歯科固有の自費診療の存在がある。負担感が歯科の通院を妨げているのではなかろうか。歯科に対する通院の敷居が高いということが今回の調査でも明らかになったのではないか」
一方、歯科医をめぐる状況の悪化について、「私立歯科大学の定員割れの問題等も十分ご承知だと思います」と指摘、「ある大学では自分の名前さえ書ければ通っちゃうみたいな、そんなひどい実態がある」とまで言った。
「歯科は自費診療、医科は保険診療が中心」と言われる。もし、医科で混合診療を解禁して、さらに医学部をガンガン新設したら、その先にあるのは......?
懇談会の模様は2ページ以下を参照。
【目次】
P2 → 「大企業にとって大きな政府、国民にとって小さな政府」 ─ 住江会長
P3 → 「点数が上がっても患者さんが来ない」 ─ 宇佐美副会長
P4 → 「経済格差が受診に影響している」 ─ 宇佐美副会長
P5 → 「医療の高度化が総医療費を上げている」 ─ 竹崎副会長
P6 → 「当たり前の治療が保険に入っていない」 ─ 杉山理事
P7 → 「高い点数を抑制する医療政策」 ─ 宇佐美副会長
P8 → 「患者の窓口負担軽減が第一要求だが......」 ─ 竹崎副会長