医師の不足数は2.4万人? 5.2万人? 12.5万人?
■ 「経済学者や私でなく国民が決めること」 ─ 本田副院長
[本田宏・済生会栗橋病院副院長]
私がOECD(加盟国の人口当たり医師数)と比較しているのは、「まずこのぐらい差があるということを認識すべきである」ということです。(中略)
減ってしまって大変だから医学部定員を決めようということ自体が戦争中と同じ、甘い情報分析、遅い基本方針転換ですね。毎年、需給や医療の質などを見ながら、世界を見ながら、そしていろんな機関が「何万人足りない」「最低何万人」ということを集約して、その次は国民が決めることなんですよ。
我々が「100兆円はいい」とか、「50兆円でいい」とか決めるんじゃなくて、それは国民が決めるから一応、日本は民主主義国家になっているはずなんです。私は全国で、医療・福祉・教育は大事だということを訴えています。(中略)
ですから、国民が判断できる情報を一般に伝えたいと思って、頑張ってしゃべっているわけなんです。経済学者の先生が決めることではないし、私が決めることでもないんですよ。国民が決めて、それを政治家がそれを行政......。(中略)
NP、PAがどれぐらい増えるかによっても医師、看護師の必要数は変わってきます。ですから、1回の会議で「何人」と決めてそのまま行くと、また甘い情報分析、戦艦大和と同じになります。(中略)
情報をオープンにして、厚労省も地域の疾病を明らかにして、みんなで考えながらどういう国をつくっていくか、まさにそれが民主主義の手順ではないかなと思っています。
ですから、(財源について)「出るか出ないか」ということはちょっとここではお答えできない。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
よろしいでしょうか。堺先生、お願いいたします。
【目次】
P2 → 「要望の資料は引き続き努力させていただく」 ─ 文科省
P3 → 「勤務時間に注目すると5.2万人足りない」 ─ 堺院長
P4 → 「シンプルに計算すると12.5万人不足」 ─ 本田副院長
P5 → 「医師需給は数の議論だけではない」 ─ 長谷川教授
P6 → 「この国が医療費を100兆円使うのは難しい」 ─ 西村委員
P7 → 「経済学者や私でなく国民が決めること」 ─ 本田副院長
P8 → 「資料を提出させていただきました」 ─ 日医副会長