医師の不足数は2.4万人? 5.2万人? 12.5万人?
■ 「資料を提出させていただきました」 ─ 日医副会長
[堺常雄・日本病院会会長、聖隷浜松病院院長]
私が申し上げたかったのは、現状、単に労働時間を軸に考えるとこれだけ足りないということで、これは事実を言ったわけで、長谷川先生のように医師のキャリア(パス)を考えて「どうあるべきか」ということではないので......。
だから現状でこれだけ足りないということなんです。(中略)現時点でこれだけ足りないということの説明だった。
[本田宏・済生会栗橋病院副院長]
1つ追加です。(中略)日本の医師を実働数で計算し直さないと......。もしかしたらかなりご高齢の方が(医師数に)入っている可能性が入ってるわけです。
実働数でちゃんとカウントしないと、データとして......、議論にならないと思います。
▼ ここまでは3人の発表を踏まえた意見交換だったのだが......。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございました。よろしいですか。ほかに......。中川委員。
▼ しかめっ面で挙手。中川委員は3人のヒアリング中、ほとんどスライドに目をやらず終始仏頂面だった。
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
議論の整理......という意味も含めてですね、資料を提出させていただきましたので、それを基にお話しをさせていただきます。よろしいでしょうか......。
▼ 座長はここで、「手短に」と言うべきだった。
それでは、「中川委員提出資料」と書いてある......(資料の)①をまずご覧ください。
▼ これは座長や事務局が言うセリフだが、中川副会長が言っている。
私は、現在の日本の医師不足は医師の絶対数の不足と偏在の両方が原因だと思います。(中略)
▼ 長い演説の始まり。この日のヒアリングは3人のはずだったが......。ちなみに資料①は「医師数増加に関する日本医師会の見解-医学部を新設すべきか-」(2010年7月14日定例記者会見)、資料②は「医師養成についての日本医師会の提案-医学部教育と初期臨床研修制度の見直し-(案)」(2011年1月19日定例記者会見)。資料①は、こちら、資料②はこちら。
それから13ページ。臨床実習資格試験の案です。CBT、OSCE、面接試験を実施しまして、すべてに合格しなければ臨床実習に参加できない。(中略)
▼ 説明開始から5分が経過。会場が一気に冷えてしまった。暖房を切ったから......ではないだろう。
それから(2)です。大学の「臨床研修センター(仮称)」を軸に、原則として出身大学がある都道府県で研修することを提案したいと思っています。
これは、各大学に「臨床研修センター(仮称)」を設置し、医学部卒業生は、原則として全員、出身大学の「臨床研修センター(仮称)」に登録する。研修先は出身大学病院、当該都道府県下の大学病院以外の臨床研修病院とする。
なお、例えば出身大学の分院のような病院、関連の強い病院であれば、当該都道府県以外の臨床研修病院での研修も可能にするというものです。(中略)
▼ ここまでで10分経過。資料をそのまま読んでいる。
日本医師会の改革案では、まずは出身大学のある都道府県に軸足を置くことが重要であると考えますので、全国一律となるような制約を設けず、大学の「臨床研修センター(仮称)」が一定の裁量を持てるという仕組みにしたいと思います。
▼ 資料②の読み上げが終了。長かった。ようやく終わりかと思いきや......。
それと、最後にもう1つ申し上げたいと思います。やはり、医学部を新設する......。
(ここで座長がさえぎる)
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
時間が......。
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
もうすぐ終わります。
▼ 振り切った。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
はい。
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
(医学部を新設して)養成するって場合にですね、やっぱり歯学部の現状を我々は学習しなければならないと思っています。
それで参考資料①の46ページをご覧いただきたいと思います。歯学部の入学定員、充足率という所をご覧ください。(中略)それと、提出資料③にもお示ししましたが、歯学部の入学が甘いという偏差値のデータです。
非常に歯学部は苦戦している。ひじょーーに厳しい状態になっている。医学部がこうなってはいけないということを申し上げたいと思います。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございました。(以下略)
▼ この後、医師の地域偏在に議論が集中。時折、医学部教育の在り方や財源の問題などを指摘する意見もあったが、全体的に散漫な......、いや、「幅広い議論が展開された」ということにしておきたい。
この検討会は果たしてどこに向かうのか、ゴールはいまだ見えない。
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【目次】
P2 → 「要望の資料は引き続き努力させていただく」 ─ 文科省
P3 → 「勤務時間に注目すると5.2万人足りない」 ─ 堺院長
P4 → 「シンプルに計算すると12.5万人不足」 ─ 本田副院長
P5 → 「医師需給は数の議論だけではない」 ─ 長谷川教授
P6 → 「この国が医療費を100兆円使うのは難しい」 ─ 西村委員
P7 → 「経済学者や私でなく国民が決めること」 ─ 本田副院長
P8 → 「資料を提出させていただきました」 ─ 日医副会長