■ 「機能評価係数Ⅰ・Ⅱ.を再整理する」 ─ 厚労省
　

[西岡清分科会長（横浜市立みなと赤十字病院長）]
　それでは続きまして、「医療機関別係数のあり方を踏まえた機能評価係数Ⅰ・Ⅱの再整理（案）」につきまして、ご説明をお願いいたします。

　▼　資料はこちら。

[保険局医療課・丸山慧主査]
　お手元に、「D－2－2」（機能評価係数Ⅰ・Ⅱの再整理案）、および「別紙」をご用意ください。

　今、「D－2－1」で確認させていただきました「（調整係数見直し後の）医療機関別係数のあり方」を踏まえまして、本日は「機能評価係数Ⅰ」と「機能評価係数Ⅱ」の再整理をお願いさせていただきたいと思っています。（中略）

　▼　資料に沿って説明。今回の提案のキモは、これまで何度も資料に登場してきた「新たな機能評価係数に関する基本的考え方（平成20年12月17日 基本小委 了承）」をいったん破棄して、新しいものに差し替える点にあるのだろう。すなわち、「医療機関群」の設定に合わせて「機能評価係数Ⅱ」を成果主義的なものに再構築するなら、従来の「基本的考え方」は足かせになる。

　2ページ目、ここからが本日、主にご議論いただきたい点でございます。「機能評価係数Ⅱ」につきましては、「DPC/PDPS参加による医療提供体制全体としての効率改善等へのインセンティブを評価するもの」という形で整理していただいておりますので......。

　具体的項目については、今後、現行6項目も含めて改めて検討の機会を設けさせていただきたいと思っております。

　▼　やはりやるのか、「機能評価係数Ⅱ」の議論。「基礎係数で一発解決！」ということではなかったらしい。前回1月13日の分科会では、「調整係数」分を個別項目に置き換えていくのは難しい作業なので、その大部分をドカーンと「基礎係数」に置き換えちゃおうというニュアンスにも聞こえたが......。
　ちなみに、同日の分科会の議事録によると、医療課の迫井正深企画官は次のように説明している。
　「今回で、その基本的な部分の一区切りをつけさせていただきたいと思っております。（中略）制度参加時点での出来高報酬との乖離の維持、これは廃止をするんだと、こういうことでございます。（中略）踏まえて、具体的な案を２.以降で、括弧書きで３つ、お示しをしております。
　まず１点目の内容ですが、基礎係数の導入でございます。包括範囲の診療報酬、先ほどこれは、実は池上委員が御指摘をなさった部分そのものなのかもしれませんけれども、現行の機能評価係数Ⅰ、あるいは機能評価係数Ⅱで評価し切れない、あるいは全てを機能評価係数Ⅱに調整係数を置き換えることはできないということが、これは前回御議論の中で御指摘をいただいたわけでございますが、その全て置き換えることはできないという前提でもって、基本的な診療機能に対する診療報酬算定のための、やっぱり係数が要るのではないのかということで、それを基礎係数という形で算定をしたらどうかと、こういうことでございます」
　確かに、「全てを置き換えることはできない」と言っている。「機能評価係数Ⅱ」について議論しないとは言っていないが、これをやり始めるとキリがない。

　その前提で、今後の具体的な評価方針についてもう一度再整理する必要があると考えております。（中略）インセンティブであるという評価の位置付けを踏まえて、2ページにある具体的な評価方針に再整理していただきたいというご提案でございます。（中略）資料の説明は以上でございます。（以下略）

　▼　この図は、昨年6月30日、7月16日の分科会で示した図の焼き直し。7月16日を最後に姿を消していたので、「機能評価係数Ⅱ」の議論はもうやめたのかと思っていたが、また出てきた。久しぶりに「機能評価係数」の項目がらみの議論に入ったが......。
　この日の分科会でも平成22年度改定前と同様、二重評価の問題や急性期医療全体に関わる項目の処理などをめぐる議論があった。主役はもちろん、三上裕司委員（日医常任理事）。急性期の出来高病院よりもDPC病院が優遇されるのはいかがなものか、という日医の主張を全面展開していた。やはり「医療機関群」を先にやっつけないと、混迷を深める一方かもしれない。　

　
　（この記事へのコメントはこちら）
　
　

【目次】
　P2 → 「事実確認をさせていただく紙でございます」 ─ 厚労省
　P3 → 「調整係数と同じニュアンスに聞こえる」 ─ 三上委員
　P4 → 「同じ文字でもとらえている概念が違う」 ─ 厚労省
　P5 → 「現時点では白紙と理解しております」 ─ 厚労省
　P6 → 「機能評価係数Ⅰ・Ⅱ.を再整理する」 ─ 厚労省