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ニュース〜医療の今がわかる

医療政策を決めるのは誰?

■ 「医師の国家試験が難しすぎる」 ─ 大学教授


[齋藤英彦部会長(名古屋セントラル病院院長)]
 (声明を出さないことに決定した後で)はい、よろしいでしょうか。それでは、資料に戻って議論をしていただきたいと思いますが、資料の1─1(医療提供体制の改革の検討の方向性に関するこれまでの主な議論・意見)......。

 (挙手なし)

 まあ......、例えば(最初の項目である)「医師等の人材確保」についても、やはりあの......。かなり論点に関したところが......、処遇改善に関連したところが......。

 (挙手がないので、つないでいる)

 何かこれについて......、追加のご議論、ございますでしょうか。

 (横倉委員が挙手)

 はい、どうぞ。

[横倉義武委員(日本医師会副会長)]
 あの......、(2番目の項目である)「医療提供施設(の機能)」の件でございますけれども......。

[齋藤英彦部会長(名古屋セントラル病院院長)]
 ちょっと待って。まず1の「(医師等の)人材確保)」の所からいきたいと思いますが......。

[水田祥代委員(九州大学名誉教授)]
 (発言)よろしいですか?

[齋藤英彦部会長(名古屋セントラル病院院長)]
 はい。

[水田祥代委員(九州大学名誉教授)]
 医師の数の問題、確保についてはですね、数の問題などで......。

 ここ(医療部会)であんまりあの......、なんて言うんですか、新設大学の問題とかあまり(意見が)出なかったと思うんですけれども、まあ、よそではやられているような気もいたしますけれども......。

 ま、そういうことの前にですね、今、現実として私は医師の国家試験の問題をもう少し見直したほうがいいんじゃないかなって思ってるんですね。

 もちろん、国家試験っていうのは毎年見直されていますが、難しすぎることが本当に必要なのかってことですね。と言いますのは、毎年......、確かあれ、1割ぐらいは落ちてます

 ▼ 他の委員らも神妙な面持ち。医師の国家試験が難しすぎるということが医療界で問題になっているのだろうか。そんなことは知らなかった......。

 ですから、その人たちはちゃんと教育を受けているんですから、そういう人たちを落として、何年も何年も無駄にするんじゃなくて......。

 ▼ かなり深刻そう。文部科学省の「法科大学院特別委員会」でよく出るような意見だが......。

 もう少し、医師として......、あの......、きちんと......、まあ、もちろん教育は大事ですけども、医師になった後も勉強するってことが大事なんですから......。

 そこのところを考えていけばですね、よそ(文科省)の(検討会?)......。

 毎年(医学部定員の)人数を増やして10年間お金を使って、どうなるか分からないような状況に持っていくよりはいいんじゃないかなって思って......。

 まあ、そういう面でもですね、国家試験のほうでも少し......。他の委員会があると思いますけれども検討していただけたらなと思います。

[齋藤英彦部会長(名古屋セントラル病院院長)]
 (横倉委員に)関連していかがですか?

 ▼ 齋藤部会長の日医に対する気配りには感心する。

[横倉義武委員(日本医師会副会長)]
 私ども先日、医師の教育の問題について1つの提言をしました。今、4年生が終わる前後で色々......、CBT等々行いますですね。

 そこで、いわゆる医学知識......、いわゆる知識を問う試験は......、かなり詳しい知識を問われています。そして、5年、6年と......。いわゆる臨床研修に入っていくわけですが......。

 どうしても今、水田委員がおっしゃったように、国家試験が非常に微細な点、特に......。不適切な回答をすると、それだけでもって国家試験がクリアできないというような問題がいくつかあるというようなことで......。

 6年目の学生が、そういう勉強に非常に、座学に取られてしまっているということで、実習時間がかなり少なくなっているような点がございます。

 そういうことで今、水田先生がおっしゃったように、国家試験の在り方をもう一遍よくご検討いただいて、やはりあの......。臨床実習というものを充実した教育ができる形に少しつくり直すことをご検討いただきたいと思っております。(以下略)

 ▼ この後もハチャメチャな意見交換が続いた。いずれ厚労省から議事録が出るので、暇な方はそちらを見ていただきたい。なお、くどいようだが、この日に開かれたのは医療提供体制について審議する厚生労働省の社会保障審議会・医療部会である。


 
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【目次】
 P2 → 「説明は簡潔にお願いします」 ─ 齋藤部会長
 P3 → 「短く終わらせるつもりでしたが」 ─ 厚労省
 P4 → 「医療部会の役割を明らかにして」 ─ 西澤委員
 P5 → 「医療部会として声明を政府に出すべき」 ─ 日医副会長
 P6 → 「同じことを繰り返して進歩がない会議」 ─ 患者団体幹部
 P7 → 「ロシアや北朝鮮と同じようになってしまう」 ─ 全自病会長
 P8 → 「現場を知っている皆さんの意見を」 ─ 元日経幹部
 P9 → 「医師の国家試験が難しすぎる」 ─ 大学教授

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