「現場の声を大事に」 ─ 日本看護協会の新会長
■ 中堅看護師が大変疲弊している
[坂本すが・日本看護協会会長]
今現在、中堅看護師が大変疲弊しております。これは勤務医の労働条件の話も随分、中医協(中央社会保険医療協議会)の中でも出ましたけれども......。
実は、ナースの側から見れば中堅看護師の疲弊が大変起こっているということを実感しております。それはなぜかと申しますと......。
病院で働くナースが多いわけですけれども、在院日数が短くなって、そして多くの患者さんを見ている状況。10年前から比べますと、在院日数は恐らく半分になってきているというふうに思います。
そうするとそこには情報が収集し、行わなくちゃいけないことをスピーディーに行い、それから大変急変している患者さんが多く集まってきているという状況が日本の医療の中には起こってきてます。
その中で働く看護師は大変......、中堅にしわ寄せが来ている。なぜかと言うと新人は大変にですね......、教育から現場に根付いていくまでの間に、まあ、教育体制の問題もありまして結構......、研修制度を用いなければ辞めていくナースが......
1年間で辞めていくナースが多い。そうなれば、それをみんなでカバーしていくためには中堅が指導したり、それから急変する患者さんに対しては中堅がケアを取りまとめて行っていくという、そういう要になってきています。
そういう意味では大変にですね、中堅が集約されているというふうに考えます。そういう意味では、なんとかして中堅看護師に対してもこれから手を打っていくということも考えております。
続きまして......
もう1つ追加しておきますけれども、「労働環境が厳しい」というのは一体何を言うのかということですが、1つは交代制勤務とか夜勤回数、それから労働時間の長さ、それから勤務時間帯......、勤務時間と勤務時間の間の短さ。
こういうようなものがあまり手を付けられずに、看護管理者が頑張っているだけでやってきたというところがありますので、こういうところにも着目していきたいというふうに思っております。
次に、今、大変話題になっています特定看護師のことであります。
【目次】
P2 → 1つひとつ形にしていく看護協会でありたい
P3 → 労働条件、労働環境の整備が重点課題
P4 → 中堅看護師が大変疲弊している
P5 → 画一化ではなくて多様性でケアをしていく
P6 → 震災復興支援はニーズ変化を察知しながら
P7 → 日本看護連盟と協働していくスタンスで
P8 → 現場の声を大事にしていきたい