自治体病院より見た医師不足の要因と対策
■ 長崎県の医療圏別医師増減数
【長崎県病院企業団企業長】
6ページ目をご覧ください。上段でございます。
長崎県の9つの二次医療圏の中では、周辺部を含めまして、人口減少が著しいために、人口が減っているために10万対の医師数は比較的保たれています。これは長崎県独自の医師養成をしている結果だというふうに思っています。
ただ、下段をご覧いただきたいと思います。
下の段で、最近10年間で長崎県内の医師総数は371名増加いたしました。しかし、そのうちの213名が医師数過剰と言われる長崎医療圏にやはり集中しているわけでございます。
直近2年間で見ますと、県庁所在地一極化で、増えた分は全て県庁所在地に集約しているということになります。医師がいくら増加しても偏在の解消はほとんどなく、都市に集中しているというようなことが見えてきます。
この結果から見ても、医師が多い県でも、医師の増員が医師の偏在解消には直接結びついていかないというふうに考えています。
【目次】
P2 → 医師が多い県、少ない県
P3 → 県別医師数と患者数の相関
P4 → 県別医師数と大規模病院
P5 → 長崎県は医師偏在の典型
P6 → 長崎県の医療圏別医師増減数
P7 → 医師偏在の理由
P8 → 長崎県の医学修学生制度
P9 → 地域枠(義務年限)養成医の問題
P10 → 医学奨学金全額返還の時期、理由等
P11 → 長崎県の医療体制の在り方
- 前の記事保健医療計画の策定について ~ 青森県 ~
- 次の記事へき地で働く医師の背景と思い