災害医療について
■ 災害時における厚生労働省の役割
【厚労省救急・周産期医療等対策室長】
これに対する「災害時における厚生労働省の役割」、この中で特に救急医療という点ですが、災害後の急性期における対応としては、私どもとしては以下の4つの取組みに重点的に取り組んでいます。
1つは、全国的な情報ネットワーク、EMIS(Emergency Medical Information System)と言っています。こちらにより、医療機関の情報等を集約させて調整するという取組みです。後ほど、また説明させていただきます。
2番目としては、患者の受入れ医療機関を確保するという点から災害拠点病院の整備を進めています。
3つ目としては、被災地における医療活動の展開として、災害派遣医療チームの要請と派遣、DMAT(Disaster Medical Assistance Team)と言っておりますが、こちらの取組みを進めております。これについては、後ほど小井土先生より詳しくご説明いただける予定です。
4番目は、地域又は全国規模の支援として、広域医療搬送があります。こちらも後ほどご説明させていただきますが、被災後に遠隔地での治療が必要な患者を搬送していくオペレーションに取り組むこととしています。
その下はこれを時系列で見ていったものです。
いまの4つの取組みというのは主に急性期の取組み、いわゆる緊急医療に該当するものです。
また、今回の経験も踏まえますと、ほぼ同時期に医療機関における医療活動を支援していく機能も重要になってまいります。これはDMATも取り組んでいるところですし、そのほかの医療従事者においても取り組んでいただいている課題です。
徐々に時間が経過しますと、医療機関における取組み、救護所等における健康管理、こういったところに課題が移ってきます。
これらを含め、日本医師会をはじめとする多くの医療団体、薬剤師会、その他の病院団体、多くの皆様にご協力をいただいて、現在でも1,000名以上の方にご活躍いただいている状況です。
【目次】
P2 → 災害の区分
P3 → 災害時における厚生労働省の役割
P4 → 我が国の災害医療体制
P5 → 広域災害救急医療情報システム
P6 → 災害拠点病院
P7 → 災害派遣医療チーム(DMAT)
P8 → DMATの活動概要
P9 → 発災直後からの医療確保への対応
P10 → 都道府県域を越える医師等の派遣調整
P11 → 東日本大震災における医療分野の特徴と検討課題