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甘く見ないで胃腸のトラブル。

胃腸のトラブルにはこんなものがあります。

 胃や腸などの消化管が実に働き者であることは、前項でご理解いただけたと思います。裏を返せば、痛い、重い、下痢をするといったように、消化管がちゃんと働いてくれなくなると、すぐにQOL(生活の質)が落ちるということです。
 きちんと働いてくれなくなるといっても、問題がどこにあるのかハッキリ特定できるものと、よく分からないものとがあります。後で詳しく説明しますが、胃腸はストレスの影響を受けやすく、一時的に機能低下することが日常的にあります。
 一方で、自覚症状がないから万事OKというわけではありません。わざわざこんなことを書くのは、消化管に関する限り、常に「がん」の早期発見を心がける必要があるからです。早期に発見すれば完治が見込めますが、自覚症状が出てからでは遅いこともあります。
 とりあえずここでは、「がん」のことは別にして、自覚症状のあるものを取り上げます。
 まず食道の異常から。蠕動運動がうまくいかなくなると、胸がつかえる感じになります。
 それから、様々な原因で胃液など胃の内容物が逆流してくると食道粘膜に傷がつき、胸やけや傷みを感じることがあります。これを「逆流性食道炎」と言います。ひどくなると食道の筒が細くなったり(食道狭窄)、えぐれたり(食道潰瘍)、長期経過で前がん病変ができる(パレット食道)する危険性があります。
 続きまして胃です。おなじみの胃炎と胃潰瘍があります。ただし一口に胃炎といっても、胃の細胞には異常のないもの、胃粘膜がただれている急性のもの、胃の粘膜が老化・萎縮して分泌機能が慢性的に低下しているものと様々です。どのタイプかは、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で診断できます。
 粘膜表面だけでなく粘膜の下側(粘膜下層)まで穴があき、時に大出血を起こす状態が、胃潰瘍です。胃の不調については次項で改めて説明します。
 最後に腸です。十二指腸潰瘍は胃潰瘍とよく似た自覚症状が出ます。比較的若い人に起こり、お腹が空いている時に傷むことが多いようです。
 最近とくに増えているといわれるのが、緊張すると下痢や便秘を繰り返す過敏性腸症候群。腸そのものに目に見えるような異常があるわけではありませんが、社会生活を営むうえでは大変困りますね。
 この他、潰瘍性大腸炎や、クローン病などの難病もあります。腸の場合も、診断を確定させるには、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が欠かせません。

虫垂炎もお忘れなく。  俗に「もうちょう炎」と呼ばれる虫垂炎は、ひょっとすると最も知られている胃腸の病気かもしれませんね。あまりにも一般的で甘くみられがちですが、ベテランの外科医でもお腹を開けてみないと確定診断できないほど症状が千差万別で、かつ他の病気とも紛らわしいので、どうも尋常でないお腹の傷みがあると思ったら、なるべく早く受診しましょう。処置が早ければ、手術をせずに薬で「散らす」ことも可能です。

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