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甘く見ないで胃腸のトラブル。

トラブルが起きたらこう対処します。

 説明してきたように、消化管の異常は、粘膜細胞の様子を眺めてみないと、何が起きているのか確定できず対処法も決まりません。といって、いちいち粘膜を削り取るのでは、患者が大変です。
 うまくしたもので、消化管は口もしくは肛門から一本の管でつながっているという特徴があります。だから、ご存じの内視鏡を使えば、体に傷をつけなくても患部がどういう状態か見られます。今回の対処法も胃で説明します。
 内視鏡で見た場合に胃粘膜の状態は、次のような3パターンに分かれます。
 ①特に変わったところがない ②粘膜が薄くなり胃液の分泌も少ない ③ただれや出血、潰瘍などがある、です。
 ①の場合、これまでは神経性胃炎として片付けられることがほとんどでした。最近では、このような状態を機能性ディスペプシアと診断し、積極的に治療がされるようになってきました。痛みやもたれなどの症状を緩和する薬剤(たとえば胃酸を抑える薬や胃を動かす薬)と生活習慣の改善、場合によっては抗うつ薬等をセットで使うこともあります。このタイプは、ストレスの原因を取り除かない限り、そんなに改善するものではありません。
 ②のような場合を、萎縮性胃炎と呼びます。自覚症状のないことが多いのですが、このタイプは胃がんになりやすいことが知られているので、定期的に健康診断を受ける必要があります。ほとんどがピロリ菌感染によるものであり、現在は保険適用外ですが、医学的には除菌も一つの治療法と考えられます。
 なお自覚症状のない人でも、血液検査で「ペプシノーゲン」という物質の量を調べれば、その量が少ない場合は萎縮性胃炎になっている可能性が高いと推測できます。ただし直接胃の中を見たことにはなりません。
 ③で、粘膜がただれている程度の場合は、吐き気などの症状を抑える薬と共に胃酸を抑える薬や粘膜を保護する薬を飲むと比較的簡単に治ります。
 潰瘍まで進んでいた場合、以前は胃を切除することもありましたが、現在はほとんど薬物治療で治ります。
 この場合、まず胃潰瘍を起こす薬を飲んでいたら止め、ピロリ菌がいるかを調べます。ピロリ菌がいれば、除菌療法をするわけです。加えて、「PPI(プロトンポンプインヒビター)」や「H2ブロッカー」など、胃酸の分泌を抑える薬を使います。
 ちなみに飲酒・喫煙をすると明らかに潰瘍の治りが悪いことが知られているので、思い当たる方は少なくとも潰瘍が治るまではやめましょう。

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