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アンケートで分かった意識 介護休暇より柔軟な働き方~ハート・リング通信㊲

ハート・リング運動専務理事 早田雅美
 介護を理由に仕事を離れる人の数は、年間およそ10万人とも言われています。育児・介護休業法では、一定の条件の下、介護を担う社員が申し出ると、会社は介護休暇を与えたり労働時間を短縮したりすることとなっています。しかし、実際に介護休暇を取得している人の割合は、働きながら介護をしている人のうち男性で2.5%、女性で2.2%ということです。

 読者の皆さんは、この低さをどう思われますか? 

 サラリーマンをしながら認知症の両親の介護を足掛け20年続けてきている筆者には、実は「当然」とも思える数字です。

 平成25年にまとめられた「社会保障制度改革国民会議報告書」では、「育児・介護休業法による介護休業・休暇を周知・徹底するとともに、こうした制度を実際に利用できる職場環境の整備を積極的に支援していくことが必要である。」とされています。しかし、その「介護休業(法第11条~第15条)」はと言いますと、「対象家族1人につき、3回を上限として、通算して93日まで」でしかありません。

 「介護」に携わる期間は平均4年間とも5年間とも言われており、そのうちわずか3カ月です。また一定の条件を満たした場合に申請することで受け取れる「介護給付金」は、1日あたり賃金の67%×93日分で、無理をしても働き続けている場合に受け取る給与とは大きな隔たりがあります。多くの場合、介護にはお金がかかります。介護保険ですべて賄えるわけではないことが多いのです。

 もちろん育児・介護休業法があるに越したことはないのですが、それに定められた通りに実施しているだけでは「我が社は従業員の介護に対する対応はやっている」とは言えないことになります。

 左下のグラフは、ハート・リング運動でインターネットを使ってアンケート意識調査を行い、40~69歳の208人から回答いただいた結果です。

 66.8%の方が、介護休暇を取るのではなく、介護と両立できる柔軟な働き方を求めています。そして聞くまでもなく、介護という「問題」から解放されるまで、それは継続してほしいと願っているのです。

 世界一の超高齢社会日本は、間違いなく超介護社会へと向かいます。介護経験者がもっと声を上げて、結果として本人にとっても、介護を受けるご家族にとっても、もちろん介護者を雇用する勤め先にとっても「三方良し」な暮らし方、働き方が真剣に論議されることを願っています。

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