福島県立大野病院事件第三回公判
検察 実質がない部分はどうなったのですか。
S助産師 ここに実質があったのか取れてなくなったのか何なのか。
検察 どう感じましたか。
S助産師 ここにあったものが取れてしまったのかと思いました。
検察 取れてしまったものは、どこにあるのですか。
S助産師 納盆になかったので子宮にあるのかなと思いました。
検察 母体から取り出したものは皆納盆に載せることになっていたのですか。
S助産師 はい。
検察 だから子宮に残っていると思った。
S助産師 はい。
これだけ聴いていたら、出血が止まらなかった原因はこれか? と結構驚く話である。しかし。。。
検察 医師に報告しましたか。
S助産師 報告をしに行ったような記憶がありません。
検察 なぜですか。
S助産師 ・・・(10秒ほど沈黙)
検察 先ほど子宮に残っていると収縮が起きづらいという証言をされましたよね。とすれば医師に報告しなければとは考えなかったのですか。
S助産師 剥がして取ったのが先生なので、先生は分かっているんじゃないかと。あと胎盤の計測をした時にはそういう状況じゃなくなっていたので。
検察 そういう状況じゃないとは、どういうことですか。
S助産師 病棟もいろいろ忙しくなっていたので。
検察 具体的にはどういうことですか。
S助産師 輸血を注文したり、採血するためA型の職員を集めたり。
検察 今回の帝王切開のためですか。
S助産師 はい。
検察が書証として証人が記した当該手術の看護記録を示す。先ほど書かせたのと同じような胎盤の図が描いてあり、先ほど「実質がなかった」と証言した部分について、「膜だけ」「欠損」などとの記述とともに「不完全」に丸がつけてある。この看護記録が、県の調査報告や警察の捜査に影響を与えたことは想像に難くない。
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