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ニュース〜医療の今がわかる

医療事故調の地方説明会in仙台


大江
「法と科学と一緒にすべきでないという意見だが、今回の委員会も親委員会、子委員会、調査チームと様々にレベルがあって、調査では真理の究明が最重視されるかもしれないが、親委員会での方向性を決める際には機能が違ってくるのかなと感じる。先ほど今先生は調査委員会ができることで現場の負担が増すんでないかという発表をされたが、実際に調査に対応することで何が大変なのか、より具体的にお話をいただけないか」
親・子・調査という階層構造が既に異論の出る代物であることに気づいてない。


「調査委員会に院内から入らないなら問題ない。また院内事故調査なら今既にやっている。だが調査委員会が入ったイコール犯罪ということになると。私は新聞記者が好きなのでそうは思わないんだが、現場の記者に聞くと、デスクのところに行くと記事の見出しが変わると言う。ウケ狙うような見出しをつけられて報じられるとしたら、まじめに医療の安全を願った委員会のはずだが、翌日から対象になった医師は仕事がしづらくなるだろう」

田林
「安全調査委員会が現場にどの程度負担になるかというのは、費用的なものを厚労省がどのように考えているかが大問題。調査委員は、大学の教授をやめて名誉教授をしているような方々がいるので、そういう方を雇えばいいと思う。いずれにしてもきちんと調査しようと思ったら膨大な費用がかかると思う。どうお考えか」

大江(生き返ったように。たぶんコーディネートすることに嫌気がさしてきている)
「いかがですか」

深田
「予算に関してはまだ何もしていない。大切なのは、調査チームに人を確保することが大問題で、そこのところをご協力いただけるなら、今でもモデル事業をやっているので、そういうデータを元に計算していきたい」

嘉山
「大綱案に調査委員は大臣が指名すると書いてある。『指名』を外さない限り独立はない。それから田林先生は名誉教授にやらせればいいと言ったが定年退職した教授なんて全く役に立たない(会場がドーっと湧く)。田林先生はあと2年で退官だからご自分でされるつもりかもしれないが、私はまだ7年あるので、私がやる。日本で一番厳しくやる。それはそれとして、永井さんと私と根っこのところでは同じだと思う。ただ、この方法では、まじめにやっている医師ほど反対する。学会で反対しているのは救急と麻酔と脳外科で、どこもまじめにやっているところばかりだ。こういう所に出てこないような不真面目な中には永井さんの言うような医師もいるのかもしれない。しかし、信頼感を互いにつくるところからやらないと事故調なんてできっこない」

大江
「時間になったので最後に1人1つずつ訊いていきたい。医療訴訟が増えて、それは医療側にとっても患者側にとっても負担の大きい話。訴訟にならないような組織として、今後調査委員会ができていくと思う。患者本位の医療と言うのを強調されていたが、委員会ができることによって関係性がどういう風に変わればいいと考えるか」

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