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医療事故調の地方説明会in仙台


なお、コーディネーターを河北新報の記者がしていた。検討会の前田座長かと思うくらい、パネリストたちの共通項をくくって話をまとめようとしていた。申し訳ないが、この問題についてどの程度の知識があったのだろうか。過去17回も検討会をやって、なおこの状況なんだし、民主党案も別にあるのだ。検討会の議事録を読んでからコーディネートしていれば、「なぜこんなに話が噛み合わないのか」という司会進行をできたはずで、そうであれば逆に接点ができたかもしれないのに。

どんな議論が行われたのか、ディスカッション部から再現する。
大江
「総論としては医療側、患者、住民サイド、誰も反対する立場の人はいない。しかし第三次試案や大綱案を個別具体的に見ていくと、ここはどうなんだろうという話や、あるいはここがもっと良くなるというのがあるんだろう。今後医療安全調査委員会を立ち上げていくうえで、この点だけは強調しておきたいということがあれば。まず嘉山先生から」
この冒頭の発言を聞いただけで、ああこの人は経過を何も知らないんだと思った。本当に検討会の最初から、総論では誰も反対していないけれど各論では全く一致しないというのが2年続いているのに。厚労省から適当にレクチャーを受けて、分かった気になったのだろう。繰り返しになるが、直近3回だけでも議事録を読んでおけばよかったのに。

嘉山
「その前に、この並び、大江先生が決めたんじゃないだろうが、最初が深田さんで最後が永井さん、こういうのは心理的にいろいろ影響がある。それはそうと永井さんは本当にヒドイ、犯罪に遭われたと思う。それは本当に気の毒に思うのだが、しかしその衝撃が強すぎて発言に国民が医療を育てるという観点が抜けている。というのが間違ったことをかなり言っている。たとえば医療安全室、国立病院機構でも何でも専従者を置くように厚労省から通知が出ていて、どこでもきちんと置いている。訂正してほしい。それから医療事故が増えているか減っているか分からないというが、そもそも永井さんは医療事故を定義していない。医療は安全でないというのは開き直りだという発言もあったが、まじめに医療をやっていればやっているほど100%安全なんて言えるはずがない。そういうことはテレビでインチキ医者が言っているだけだ。生物なんだから、薬を入れた時のサイトカインの出方もみんな違う。
根っこの部分では永井さんと同じだと思うのは、今が信頼を取り戻すいいチャンス。そのために患者の苦痛を医療側が真摯に受け止めなきゃいけない。しかし永井さんの話し方は医療側の聴く気を削ぐ。というのがエビデンスに基づかないから。それだけヒドイ目に遭ったんだということは分かるが、むしろ信頼関係を崩している。もちろん我々医療側が自律自浄をしてこなくて、それが必要なことは間違いが今は情報を出し合って、医療を国民が育てていくべきとき。永井さんには我々の仲間になって、本当によい医療をつくるために一緒にやっていきたい。
そもそもが日本の医療費、高等教育費がとんでもなく低いことが根底にあるんで、この問題についても大綱案では財政も何も触れられていない」

大江
「制度的には法に明記される部分にとどまっているということだろう。モデル事業を通しての課題は何だろうか。今後、具体的にフィードバックすべきことはないか。田林先生」
これも繰り返しになるが、田林教授は実はモデル事業実施の経験が一件もない。そして、モデル事業でどんな課題が浮かび上がったかは、直近の検討会で4人もの人が懇切丁寧に説明している。直近の検討会の内容をご存じない方はぜひ読んでみてほしい。

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