医療事故調の地方説明会in仙台
検討会とは違った発見があったかなと思ったのは、わずかに2つ。
(その1)
深田課長がプレゼンの最後に明らかにしたこと
「法が成立した暁(現下の政治情勢では絶対に成立しないんだが)には3年程度の移行準備期間が必要であろうと考えている。1年目は現在10ヵ所のモデル事業を続け、2年目、3年目と徐々に実施地域を拡大していく」
あまりに労力がかかり過ぎて掛け声倒れになっているモデル事業。その延長線上に医療事故調を位置づけるしかないということのようだ。そういう思惑があってのことか、実は今日になって気づいたことなのだが、昨年8月に岡山、10月に宮城でモデル事業が新たに立ち上がっていたらしい。ただし当然のように両県とも実施が1件もない。事業だけがある。だから田林教授に関しては、自分の体験として語るべき内容を何も持っていない。
モデル事業の延長線上に位置づけるんであれば、当然のことながらその総括は欠かせないはずで、それもしないで地方説明会を開いてもまったくナンセンスだ。実際には昨年11月の検討会でモデル事業に関与した方々がどれだけ苦労しているか、かなり詳しくヒアリングしたのだから、そこを議論の出発点にしないと訳分からん。
(その2)
今所長。緊張していたのか、大事なところを読み飛ばしたりもしたが、そのプレゼン資料は実に分かりやすく、医療事故調の議論を巡る1つの本質をとらまえていると思った。帰京したらご紹介する。
これだけ膨大な内容の討論のご紹介ありがとうございます。
>やはり「医療者」と「医療被害者」との対立を先鋭化させただけで、税金の間違った使い方と言わざるを得ない。やらない方がマシだったと思う。
まさしく御説のとおりだと思います。同じところをグルグルと言い合いしているだけで、数年前から全く進展しているとは思えません。
事あるごとに指摘されているように、医療事故調の目的が「医療安全の向上」なのか「責任の追及」なのか「医療事故の原因解明」なのか全く不明確なまま、つまり、根源的な議論の方向性を決めないまま、拡散した議論を垂れ流して回を重ねているのが現状だと思います。
あの制度設計で、「医療者の責任追及が目的でない」などと虚言を重ねられても、その戯言を信じて頑張って医療の現場を支えられる訳がありません。
「医療者」と「医療被害者」との対立も、迷走した議論から副次的に生じたものだと思います。議論をリセットして、「医療安全」を主題として対話を始めるしかないと思います。
>岡山の内科医先生
コメントありがとうございました。
本日のサンデープロジェクトで労働者派遣法成立のいきさつをレポートしており、非常に興味深い内容ではありましたが、問題が起きてから批判するというのは余りにも知恵のない話だと思います。できる前にきちんと報じることを続けていきたいと考えています。