集約化か、救命救急センターの活用か―重篤小児の救急医療
■ 「専門性」か、「セーフティーネット」か
[阪井委員]
もう一言、言わせてもらうと、救命救急センターは、大人でも子どもでも全部受ける。「超急性期」は少なくとも全部受けるというのが、基本的な考え方。
今回の「少なくとも1か所」は、子どもを優先的にというか、「しっかり受けなさい」ということは、それを変えることになる。そうするのかどうか。もしそうするなら、その救命救急センターは、「急性期」もしっかりやる。その地域、少なくとも人口200~300万人の地域には小児病院などいらないと。急性期をやる小児病院など、なくて結構だというスタンスだと思っている。そこはしっかり指摘して、無駄なことはやらない方がいい。
[山田至康委員(順天堂大浦安病院救急診療科教授)]
この問題は、時間的なことも考えるべき。私も、最初は「分散」だと思う。そのステージがあって、さらに次のステップとして、自然に「集約化」が出てくるならいい。ただ、阪井委員が言ったように、こども病院でやっている医療と、救命救急センターでやっている医療には、やはり質的な違いがかなりある。
小児専門病院に、そこにすぐに「超急性期」というのは、これは非現実的。まずは広く、「セーフティーネット」を考慮して、(救命救急センターに)それ(小児集中治療室)を設置する。次の段階で自然と、得意なところは、「小児救命救急センター」という形になっていってもいいが、本質的にはやはり違うものだ。
[渡部誠一委員(土浦協同病院小児科部長)]
1歳から4歳の死亡率が高いことに関連するが、小児でも4歳以下、あるいは2歳から3歳は難しい。専門性が高い。例えば、3歳以下の集中治療ができるところは、218の救命救急センターすべてではない。
「どこの救命救急センターができるか」ということを明示して、そこに早く搬送することの方が救命率が上がる。年齢によって変わるので、すべてではない。
[宮坂勝之委員(長野県立こども病院院長)]
この文章(1か所)のままでいい。「超急性期」をすべての救命救急センターが担うということは前段に書いてある。その下に、「少なくとも都道府県または三次医療圏あたり1カ所」となっている。
「少なくとも」という部分はなくてもいいと思ったぐらいだ。しかし、今の社会的なことを考えると、「少なくとも」というのが入っていれば、目的は達成されるかなと思った。
[阪井委員]
渡部委員が、「1から3歳が専門性が高いから、それなりのところに運ぶべきだ」と言ったが、いったん救命してから運ぶべきであって、だから、(専門的な小児医療は)「急性期」の話だと思う。