先発品企業が命運を託す「薬価維持特例」(3)―質疑応答
■ 「販売額が巨大になるのでは?」―中川委員(日医)
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
質問というか、確認。日薬連に聞きたい。資料の8ページ(薬価制度改革の必要性)の概念図。
(B)の部分の「販売額の面積」というのがある。が、面積(A)が「研究開発投資額」。これは、1品目ごとの概念図と理解するのだろうか。
[竹中日薬連会長]
基本的には、1品目ずつだが、研究・開発すべてトータルで計算するので、それらも含めて見ていただいた方が、トータルの研究・開発促進によるイノベーションを起こすためには、「トータル研究・開発費」として見ていただきたい。積算。
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
すみません、ありがとうございます。(B)の面積は、「販売額」で間違いないだろうか、これは?
販売額。利益とか......。
[竹中日薬連会長]
おっしゃる通り、利益。
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
そうすると、2ページ(新薬の研究開発)。
○研究開発期間が長い(10~20年)「研究開発費が高騰(800~1300億円/1品目)」とあるが、これ、メーカーごとのトータルだとすると、「成功確率が0.005%」とあるので、99.5%の品目まで含めた(A)の面積なのだろうか?
○研究開発費が高騰(800~1300億円/1品目) 。特に臨床開発費
○成功確率が低い(0.005%)
そうなると、(B)の面積は巨大になるのでは? それで、「研究開発投資額の面積(A)」を「販売額の面積(B)」が上回らなければ、再投資ができないという概念図になってしまうのだが、この理解は違う?
[庄田・日本製薬工業協会会長]
まず、研究・開発費のところだが、これは基本的に実際に承認を得て、市場に紹介できるようになった品目が、それまでの間に、一体どれだけの研究・開発費が掛かったかと。これは、1品目のとらえ方。先程、申し上げた通り、近年は承認要件が非常に高まるということで、特に臨床・治験関係で(費用が)掛かると、こういう意味合い。
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
では、0.005%の確率をくぐり抜けてきた薬に関してということだと。では、現行制度で、「販売額の面積(B)」が「研究開発投資額の面積(A)」を下回ったことはあるのだろうか?
(「難しいですね」という小声が聞こえる)
[遠藤部会長]
なかなか......(難しい)。
[竹中日薬連会長]
率直にお答えする。大変、難しい質問で、今すぐお答えする例を持ち合わせていない。ただ......、なりつつある。それは事実。
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
「グローバル・メガファーマ」をある程度、目指しているということだと思うが、国際競争力を付けるためには、「販売額の面積(B)」が「研究開発投資額の面積(A)」を大幅に上回る必要があるという認識でよろしいか?
[竹中日薬連会長]
はい、そうです。
[中川俊男委員(日本医師会常任理事)]
分かりました。
[遠藤部会長]
はい。それでは1号(支払い)側、お待たせした。対馬委員、どうぞ。