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ニュース〜医療の今がわかる

日本看護協会の見解 ― 6月16日の記者会見

■ 平成21年度の重点事業について
 

―― 週刊社会保障のタカギと申します。
今日の会見の案内を頂いた際、平成21年度の重点事業として6項目ありました。

①看護基礎教育制度の改革と卒後臨床研修制度の創設
②働き続けられる労働条件・労働環境づくり
③生活習慣病予防を目指した効果的な保健指導の拡充
④安心・安全な出産環境の実現に向けた院内助産システムの推進
⑤療養生活を支える訪問看護の推進と安定的なサービス提供体制の確保
⑥安全で効果的な医療提供に向けた看護職の業務範囲の見直し・拡大
 このうち、①と②は会長がお話しになったと思いますが、残りの4事業について、改めて会長から簡潔で結構ですので、それぞれの事業の柱や意図などをお聞かせください。

[久常節子会長]
 担当理事がおりますので、その方がより分かると思います。

[井伊久美子・常任理事]
 生活習慣病予防に関して担当をしております井伊と申します。生活習慣病予防については、平成19年度からモデル事業に取り組んでいます。

井伊久美子常任理事0616.jpg それは、効果的な保健指導プログラムの開発と、プログラムの普及、それと併せて特定保健指導に関連する保健指導をどう評価するかということを課題にして、モデル事業に取り組んでいます。それが生活習慣病予防では一番中心的に行っているものです。

 もう1つ、本会として生活習慣病予防に取り組むのは、保健師のこれからの活動領域の拡大を検討しているからです。特定保健指導は、アウトソーシングができることになっていますので、アウトソーシングの受け皿に保健師がなり、自律した保健指導をどのように行うことができるかということが、これからの職能としての大きな課題だと考えております。

 そうしたことを前提に、保健指導を担う人材養成事業として各都道府県にお願いしているところですが、各都道府県看護協会の保健職能委員を中心に、保健指導ミーティングとして保健指導のスキルアップを目指した事業に取り組んでいきます。

 これら2つが、生活習慣病予防に関する取り組みです。


[永池京子・常任理事]
 永池でございます。助産を担当しております。簡単にご説明させていただきます。

永池京子常任理事0616_2.jpg 昨年度から院内助産システムとは何か、どのような体制であり、また、そこで使われている言葉が何なのかということ、それから条件整備をしてまいりました。今年は、これらを特に関係職種、それから利用者の方などへの普及・啓発を進めていきたいと考えています。

 例えば、フォーラムの開催のほか、利用者の方々の知識や要望などの実態調査も行ってみたいと考えています。これらを来年度につなげていきながら、政策提言や予算確保、こういったところも少し検討を進めていきたいと思っています。

[齋藤訓子・常任理事]
 齋藤でございます。訪問看護の推進については、昨年度、全国訪問看護事業協会、それから訪問看護振興財団、それと日本看護協会で、「訪問看護推進連携会議」を立ち上げました。

 これからの超高齢社会を前に、訪問看護が大きな役割を担っていくのではないか、また訪問看護の施策については各団体が一枚岩になって進めていこうではないかという趣旨で立ち上げた会議です。

 現在、診療報酬等の要望に向け、活発に会議を行っております。報酬上の要求をしていく一方、今年の4月に「居宅療養管理指導」として、いわゆる具体的な医師の指示のない訪問看護の仕組みが導入されました。これを訪問看護ステーションに多く普及し、利用者を増やしていくようなことを考えています。

 それから(看護職の)業務範囲の見直しについては、会長が申し上げましたように、まずは本会内でいろいろな勉強会を重ねていきつつ、かつ、ある程度、研修等々を受けたスキルの高いナースたちが現在働いていることは事実です。
これは先程、洪(愛子)理事より、認定者が増えたということを報告いたしました。

 そのような方々に、「今の状況で何が引き受けられるのか」といったようなことを検討していきたいと考えています。

[久常節子会長]
 専門性の高い看護師として、「認定看護師」「専門看護師」を認定していますので、その役割として、どのようなことができるのかということを中心に考えています。

[井伊久美子・常任理事]
 よろしいでしょうか。いかがでしょうか。では、前の方。

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