医療区分3の患者が「適正化」される?-中医協慢性期分科会
■患者特性調査―病院
引き続きまして3つ目の資料、患者特性調査病院編の方に入らせていただきます。
1枚めくっていただきますと、この資料のつくりに関して説明いたしますと、ページ右肩のところにカッコつきで【全病院】と書いてありますのが左側、右側のページに【共通病院】と書いております。この違いは【全病院】は平成18年と20年のすべての調査結果を比較しているものでございます。右側の共通病院に関しては、無作為抽出なので偶然なのですが、18年調査と20年調査の中でたまたま共通して調査に協力いただいた病院に関しましての比較表ということでございます。全体傾向が左側、変化を見るのが右側、という感じで見ていただければと思っております。
1ページ目ですが、医療区分とADL区分の状況でございます。平成18年と20年の状況を見ていただきますと、概ね変わらないということです。医療区分は3:5:2という大体の比率で変わりません。2ページ目ですがこれは共通病院の比較ということでございますと、20年と18年を見ますと医療区分1が減少しており、医療区分3が増えているという状況でございます。
●http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0611-2a_0004.pdf
3ページ目お願いいたします。非常に細かい資料で恐縮でございますが、医療区分に採用しております状態像といいいますが病像を比較した表でございます。なおその表全体に注記が漏れておるページがあり恐縮です。太字になっている部分、3ページ目の9番「頻回の血糖検査を実施」というところが太字になっておりますが、これに関しては右側に矢印上【↑】と着いておりますが18年調査と比較して3%以上増加しているところということでございます。逆に矢印下【↓】になっているところが出てございますが、これは3%以上減少している場合を書いているということで共通でございます。
今回左側全病院の傾向で見てまいりますと、増えておるところというのが「頻回の血糖検査を実施」というところが医療区分2と3で増えておるということです。右側の方で見ますと、「尿路感染」が増えております。それから「経鼻胃管・胃ろう等の経腸栄養が行われ、発熱または嘔吐を伴う」ところが増えておりまして、9番の「血糖検査実施」が増えています。
今回医療区分は若干見直しをしておりまして、まず17番に「酸素療法の実施」がございます。前回の20年度改定におきまして、酸素療法が必要な状態かどうか確認して診療録に記載するという見直しをしております。全病院で見ますと、酸素両方の実施が増えているという状況です。共通病院で見ますと、こちらのほうが全体に比べますと若干上がりは少ないのですが、増加傾向ということは言えるかと思います。それから33番、34番の「うつ症状」「他者に対する暴行」につきましても、原因や治療方針について検討を行い、必要なケアに基づく治療方針について診療録に記載するということで見直しを行っております。これについては全病院、共通病院のデータを見ましても、さほど大きく変動があるというふうには見受けられません。後、4番と6番「脱水」「嘔吐」です。これも新しく要件を追加しておりまして、「発熱」を伴う場合としておりますので比較してみますと、全病院では若干増えてはおりますけれども、全体としては0.3%程度。それから「嘔吐」に関しましてはNの問題かと思いますけども、あまり変化はないということです。それから共通病院に関しましても同様で、若干「発熱、脱水」の方は増えておりますが、3%以上の変化はしておりませんので黒塗りにはしておりません。以上のような傾向が見られます。
5,6ページ、「入退院の状況」です。先ほどの施設調査で、患者さん個別の状況でどこから入院して来られたかということがありましたが、これに関してはほぼ施設調査と同様の傾向でございますので、簡単にご紹介にとどめさせていただきます。やはりその一般病床からの方が一番多いということでございまして、これは自院からと他院からということです、自宅は医療区分1に関しては15%ということですが、全体でいうと1割程度の方が自宅からということです、18年調査が下段に全部付いていますが、これも3%以上伸びていることは特にございません。傾向としては変わらないと。共通病院のほう、右側6ページのほうを見ていただきますと、。黒塗りのところ、3%変動のあるところが出てまいりまして、他の医療機関から来られる方が減っているということで黒塗りになっている。右側に矢印が消えていて恐縮です、下向きの矢印が付きます。それから「自院の一般病床から」が3%以上増えていると。これは上向きの矢印が右側に消えておりまして恐縮でございますが、そういうことでございます。
7、8ページです。調査病棟に入院した背景です。18年との比較のご紹介にとどめさせていただきますと、「疾病の急性期状態が安定した」ということが概ね一般病棟から入られている方の理由と思いますが、複数回答で、「本人、家族が希望」されるということが2番目です。これは傾向としては減少しています。あとは「継続的な高度の医療管理が必要」な方も減少しておると。「在宅療養でも対応できるが家族の受け入れ体制が整わない」という方も減少ということでございます。それから全病院ですが、図表8の共通病院を見ていただきますと、継続的なリハが必要ということが増えているという傾向があります。減っているところとしては「疾病の急性増悪」とか「継続的高度の医療管理が必要」、「家族の希望」「家族の受け入れ体制が整わない」というところは3%以上減っているということでございます。