「医療療養病床はICUと類似化」-武久日本慢性期医療協会長が中医協分科会に報告
現在の医療療養の役割は多様で、ポストアキュートの主なところはぜんぶ我々のところでやっているということでして、ケアミックス病院も含めて、医療療養病床単独で300床という病院はむしろ少なくて、地域の中でいろんなケアミックスの形でやっていると。我々の方で調べまして、昨年5月の介護型療養病床の患者の状態ですけども、経管栄養、喀痰吸引、気管切開などありますけども、これを見て頂いて、医療療養病床の患者の状態を見ますと、医療区分2、3が非常に多いところ、全体平均の横に赤で囲っていますが、経管栄養100人に対して45人、気管切開17人、喀痰吸引42人、酸素療法20人と。非常に重症でですね、ICUと類似化している。違いは疾病に罹患してからの期間であって、病態としては非常に手間がかかるというのでは全く同じ状態。
次の19ページ。現在の医療区分1は区分2、3以外ということで、非常に多種多様な状態が包含されている。ここで我々の業界で仮に5つの区分に分けまして、「1-5」というのは区分1の中で重症であろうと思われる患者ですけども、このように重度意識障害もみんな入っております。ここにあるような、ぱっと素人目に見ても大変手間のかかりそうな人もみんな医療区分1ということ。平成18年と20年で調べますと、医療区分1は23.6%から22.4%と、ちょっとしか変わらない。佐々木先生が仰ったの(佐々木健保険局医療課課長補佐が報告した「2008年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」)と一緒ですけど、医療区分の医療状態の重い「1-5」が40%に増えている。同じ区分1でも手間のかかる患者さんが増えていると。