「医療療養病床はICUと類似化」-武久日本慢性期医療協会長が中医協分科会に報告
本年の4月から医療療養病床に関するアンケートを行っております。43ページのところで医療療養病床を、昨年10月からこの3月までの計6か月間でどういうふうな患者さんが入ってらっしゃいますかと。医療区分3が26%、そのうち3項目以上合併している超重症の方が2.1%、医療区分2のうち項目が3つ以上合併している患者さんは割合少ないですけど、いらっしゃいます。これらにつきましては、前々回のこの会でですね。木下(木下毅・日本慢性期医療協会前会長)が、一つの該当項目よりも複数の該当項目ある方が手間がかかるんではないかとして1分間タイムスタディーしたところ、それほどの差がなかったということで却下になったと聞いておりますが、これは誰が考えても、人工呼吸器や気管切開、中心静脈栄養にしろ、いろんなものが重なれば単独のものより手間がかかるのは当たり前なんですけど、1分間タイムスタディーしても変わらないということは、本当に行かなければいけないところに行ってなかったのではないかと。行ってなかった結果として「必要ない」と断定する1分間タイムスタディーの結果を優先するというのも少しおかしいのではないかと思っております。
退院先としては、いわゆる在宅、また特養にもたくさん帰っております。逆に言うと、死亡退院も36.7%ということで、急性期病院から来て亡くなる患者さんも結構多いということです。転帰ですけども、こちらのように退院された方は入院時の医療区分が1.88、これは医療区分1、2、3がありますので、ADLを抜かしまして、1か月の間に区分1で入った方が途中悪くなって熱が出たりすることがありますから、1、1、2、2、2、3、3、3と、また1に変わったりするので、1か月間の平均の医療区分を平均しております。入院した時にこういう状態だったのが、退院した時にかなりよくなっていると、継続中の方はほとんど変わらないが、死亡の方は確実に悪くなっている。赤でまとめたのは死亡患者、入院時から何か月後に亡くなったかということです。良くなっている方はブルー、これは確実によくなっている。医療区分3で入っても、良くなって1で入っても途中で悪くなって死亡する人もいますから、このようにうまくいってる場合とは限りませんので、それを個別表示しています。医療区分1で入っても亡くなる方、3で入院してよくなっている人なども、こういうことを全部平均すると、あのような見事な傾向がみられています。
だから私はアンケートしてみていただいたらいいんですが、「医療区分1の適正化が必要である」とか「医療区分基準があいまいである」と現場の先生方からいろんなご意見は当然あると思います。