診療報酬の配分見直し論は、是か非か
■ 「手続きを経て、こういった形になっている」 ─ 対馬委員
[藤原淳委員(日本医師会常任理事)]
私が危惧するのは、まさに今、医療課長が言ったように、「キックオフ」であると......。年末に向けた(基本方針の)取りまとめのキックオフが始まったんだと。
要するにこれは、今後の議論を((診療所と病院間の配分見直しが必要であるという方向に)ミスリードする可能性があるだけに、一言一句が重要な意味を持っていると思う。
厚労省で多少、「こういう方向にしたい」という意図が働けば、やはりそういう風な取りまとめになると思う。私が実際にその場で得た感触とも違うわけだから、(意見のまとめが)それほど重要だという意味合いから、やはり......。
特に私が気になるのは、④の項目だった。(議事録)全体の提出が大変だというなら、④の項目だけでも出していただきたいと思う。
④ 全体の引き上げが必要という話があったが、救急や産科・小児科をはじめとする勤務医の負担軽減などに重点をおくような検討が必要。▼ ④は、1人の発言ではなく、3人の発言要約の"合わせ技"で、齊藤正憲委員(経団連社会保障委員会医療改革部会長) → 逢見直人委員(日本労働組合総連合会副事務局長) → 樋口恵子委員(高齢社会をよくする女性の会理事長)─と展開している。「反対説」として冒頭に示された「全体の引き上げが必要という話」は、藤原委員(日医)の同部会での発言。地域の救急医療は崩壊の危機であり、深刻に考えなければならない。診療報酬改定だけで議論する問題ではなく、医療提供体制など地域医療全体をどうするかといった視点で考えることが必要。急性期医療に資源を集中投入するという考え方が基本。
国民の生命・安全を保障することが大事であり、限られた財源の中で「選択と集中」と言われるが、医療を選択的に若い人に行うということになると大変だ。産科や小児科へということなら良い。むしろ「分散と公平」を図りたい。例えば、人口20~30万人に1つ分娩施設があるというようなことが「分散と公平」で、そういった観点も入れて欲しい。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
ただ今、の(藤原委員内容について、事務局(保険局医療課)としては暫定的に、これは恐らく議事録を待てばかなり後になるということなので、どういう審議をされているかということの概要について説明したということ。それは「医療課としての責任でまとめたのだ」と理解した。小島委員、どうぞ。
▼ ここで、いつものように"援護射撃"が出る。
[小島茂委員(日本労働組合総連合会総合政策局長) ]
(意見の取りまとめに関する)事実関係......。
私は(問題の医療保険部会ではなく)医療部会に出席して発言したものについて、今回、主な意見の概要版ということで、事前に「こういう概要で取りまとめて中医協に報告します」ということで(連絡が)来たので、私は若干、手を入れて、私が言った趣旨に合うように最低限の修文をして送った。
一応、それが反映されている。医療保険部会は、私は確認していない。
[遠藤会長]
では、対馬委員、どうぞ。
[対馬忠明委員(健保連専務理事)]
(私が出席した)医療保険部会についても、全く同様の手続きを経て、こういった形になっている。
[遠藤会長]
分かりました。そういうことで、発言者のチェックが既に入った形のまとめになっているということなので......。
[藤原委員(日医)]
私どもの所には来ましたかね......。(他の委員が何かつぶやいたらしく、委員ら笑い)
「これを修正して、これ」というのは来ていないと思うが......。
[遠藤会長]
医療課長、どうぞ。
[保険局医療課・佐藤敏信課長]
(堂々とした口調で)お届けしております。
▼ なお、医療部会の事務局は医政局、医療保険部会の事務局は保険局。しかし、ややこしい。その方が厚労省としては都合がいいのかもしれないが、せめて「医療部会」と「保険部会」などに名称を変えてほしい。
[藤原委員(日医)]
いや、とど......。
[医療課・佐藤課長]
具体的には、(医療部会に出席した)竹嶋委員(日本医師会副会長)からも修正のコメントが来ているので、あの、確認......。
[遠藤会長]
(笑いながら)竹嶋委員、どうぞ。
[竹嶋康弘委員(日本医師会副会長)]
なんかややこしくなってきたぞ。この回から出ている委員もおるからでしょうね。
私は医療部会に中川委員(日医常任理事)と一緒に出ているが、医療部会からは間違いなく回ってきた。それは、(意見取りまとめの)全体を見せてあるし、私が発言した所は、それなりに「てにをは」の修正を入れた。
あと、医療保険部会はちょっと......、これはちょっと私は分からないが。
▼ 同じ日本医師会なのだから、もう少し援護すればいいのに......。そういう役割分担なのだろうか。
【目次】
P2 → 「テープ起こしの形で羅列、整理した」 ─ 厚労省
P3 → 「私のメモと印象が違う。バイアスがかかった取りまとめ」 ─ 藤原委員
P4 → 「手続きを経て、こういった形になっている」 ─ 対馬委員
P5 → 「かなり個別の問題だ」 ─ 遠藤会長