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認知症対策も「ハコモノ」か

■ 「固定的なADL評価は難しいだろう」 ─ 安達委員


[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 安達委員、どうぞ。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 日本医師会として、この「論点」について(日本)精神科病院協会にご意見を聴いて集約しておりますので、まとめて申し上げさせていただきます。

○ 論点
1 認知症に係る入院では、条件が整えば退院可能な患者が多くいるが、適切に介護保険と連携し、認知症にかかるネットワーク(相談・支援体制)の整備を進めて行くために、診療報酬上、どのような対応が考えられるか。
2 療養病棟においては医療区分やADL区分に応じた評価が行われているが、精神療養病棟では、患者の病態像によらず一定の評価となっている。認知症による入院患者については、ADLへの濃厚な支援が必要との指摘もあるが、診療報酬上、どのような対応が考えられるか。
3 認知症に係る外来医療について、専門医療機関と地域のかかりつけ医が連携して医療を提供していくため、診療報酬上、どのような対応が考えられるか。
 1番の「退院可能な患者」について。(厚労科研の)平成19年の調査で、(条件が整えば)50.5%が退院可能というデータがある。
問題は、「退院した後にどうするか」ということで、"介護難民"が出ないようにするためには、24時間とか入院したい時には365日という介護サービスの提供がなければ、在宅生活は大変難しいのではないかというご意見を頂いております。

 それから、2番目の「ADL区分に応じた評価」について。通常の療養病床のADL区分の評価と違って、認知症というのは症状の変動が非常に大きいので、固定的なADL評価というのが現状は難しいだろうということがあります。その観点から、「認知症病棟入院料」等々を考えていただきたいというご意見です。

 3番目は今のご質問にも関連いたしますが、認知症患者の医療センター(認知症疾患医療センター)は今、全国で51か所の指定だろうと思います。150が目標ですが到底まだそこに到達していないという現状があります。
 ということは、地域の精神科のかかりつけ医との連携をどうするか。そういうこと(センターとの連携)がないと患者さんのケアができないので、そこの所を診療報酬上でどう手当てしていくかという観点をお願いしたい。この3つがご意見でございます。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 ありがとうございます。それでは、鈴木委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「センターの鑑別診断が大変重要」 ─ 厚労省課長
 P3 → 「システム、体制の整備が重要」 ─ 厚労省課長
 P4 → 「固定的なADL評価は難しいだろう」 ─ 安達委員
 P5 → 「近くの病院に紹介すれば取れる仕組みに」 ─ 鈴木委員
 P6 → 「区分の方向はいいが、実態調査を」 ─ 白川委員
 P7 → 「通常のADL区分より広い概念がある」 ─ 佐藤課長
 P8 → 「地域の中小病院に手厚い診療報酬上の対応を」 ─ 嘉山委員


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