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認知症対策も「ハコモノ」か

■ 「通常のADL区分より広い概念がある」 ─ 佐藤課長
 

[鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)]
 ここに書いてある「ADLへの濃厚な支援」とは、具体的にどういうものを意味するのでしょうか。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、それでは事務局(保険局医療課)、お答えください。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 通常の療養病床にいる患者さんほど調査もまだできていませんし、恐らく次期改定というよりはそれ以降の話もあるのかもしれませんが、もう少し丁寧に、病状や病態、それからケアの必要度みたいなものを見ていかなければいけない。

 ということがある中で、私どもいくつか考えているのは、この「ADL区分」といっても、通常のお年寄りの患者さんのように、単に起こしてあげるとか、食事を介助してあげるというだけではなくて、いわゆる「周辺症状」のようなものがある時に、「監視」ということもあるかもしれません。

 「見守る」とか「監視」という部分もありましょうし、もう少し行くと、せん妄などで不穏な行動を取ることもあるでしょう。そういうことに対する広い広い、通常のADL区分といっても、もう少し広い概念があるのじゃないかととらえています。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい。恐らく鈴木委員のご質問は、ADLへの濃厚な支援が必要との「指摘もあるが」というので、「どういう指摘なんですか」ということで、多少具体的な例として(疑問が)あったのではないかということでお聞きになったのではないかと思うのですが......。

 何か、そういう具体的な指摘というのは......。今、課長が言われたことは一般論的なことだと思いますが、特段、「指摘」というものが具体的なものとしてあるということではない? 事務局(保険局医療課)、どうぞ。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 今、繰り返しましたように、繰り返しになりますけれども、「周辺症状」として、スライド7にありますような暴力、暴言、徘徊も含めたような、いわゆる広い意味での「BPSD」みたいなものについて、それにある程度、ま、ちょっと言葉が適切かどうか分かりませんが、「手間がかかる、世話が焼けるというような部分について評価してほしい」という意味に理解しています。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、ありがとうございました。嘉山委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「センターの鑑別診断が大変重要」 ─ 厚労省課長
 P3 → 「システム、体制の整備が重要」 ─ 厚労省課長
 P4 → 「固定的なADL評価は難しいだろう」 ─ 安達委員
 P5 → 「近くの病院に紹介すれば取れる仕組みに」 ─ 鈴木委員
 P6 → 「区分の方向はいいが、実態調査を」 ─ 白川委員
 P7 → 「通常のADL区分より広い概念がある」 ─ 佐藤課長
 P8 → 「地域の中小病院に手厚い診療報酬上の対応を」 ─ 嘉山委員


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