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療養病棟の救急受け入れ、反対続出 ─ 11月20日の中医協

■ 「赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 まずデータについて教えていただきたい。参考資料の12(療養病床における患者分類の状況)ですが、これは(厚労省「「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」の)平成21年3月のデータとなっていて、(医療)区分1、2、3の(入院患者の比率が)3:5:2になっている。(平成)18年以降は毎年変わってどうなっているのか。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 事務局(保険局医療課)、資料はありますか。

[保険局医療課・佐藤敏信課長]
 はい、ちょっとお待ちください......、データは確実に......、あ、ありました。一杯あるのですが、どれから説明しましょうか。ここでいいでしょうかね。えー......、読み上げますと、(区分1の)31.9%の所が32.2%、医療区分2が48.7%、医療区分3が19.0%でありまして、おおむね「3:5:2」で変化がないと言えると思います。
 ちなみにこれは改定に合わせて調査をするということにしておりまして、(平成)18年にやって、2年後の20年に調査をやっています。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 分かりました。意見ですが、この参考資料の16(患者1人1日当たり収入・費用差)ですね。これ、最初から言われていたことで、「医療区分1」はどうやっても赤字になるんですね、この点数設定だと。
 最初っから赤字になることがほとんど分かっていた点数を設定するということは、診療報酬の点数の付け方上あるのかという根本的な疑問でございます。

 つまり、医療機関のビヘイビアとして、赤字にしておくということは、「そこをやるな」という誘導なのであれば、本当は「医療区分1」を消して、この受け皿をどこかにつくるということをやらなければいけない話なのではないか。
 それを区分2、3の黒字分で賄って、区分1は赤字なんだけど面倒を見なさいと言われても、これはそもそも診療報酬の体系としては大変おかしな形なのではないかという、非常に原理、原則的なことを申し上げておきます。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、点数の問題として、「医療区分1」、これは昔から議論になっているところではありますが、その点数が低すぎるのではないかというご意見だったと思います。その他......、坂本専門委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント
 P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント
 P4 → 「救急のメーンは一般病床あるいは急性期」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」 ─ 西澤委員
 P6 → 「軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で」 ─ 西澤委員
 P7 → 「赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形」 ─ 安達委員
 P8 → 「新型インフルで療養型が大変ありがたかった」 ─ 坂本専門委員
 P9 → 「区分1を上げないと機能しない」 ─ 安達委員

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