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ニュース〜医療の今がわかる

差別医療か、平等な医療か

■ 「受け皿の心配は全くない」 ─ 西澤委員


[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 はい、ありがとうございます。それと今、後期高齢者医療制度の中で話していますが、実は(90日超で減額される)この点数(後期高齢者特定入院基本料)は平成10年から入った点数(老人長期入院医療管理料)で、老人保険制度の中でも高齢者の特質を考えて付いた点数ということでございますので、それなりに今までも疾患の内容などを考えながら議論してきたと思いますので、白川委員がそうおっしゃってくださったこと、ありがとうございます。

 ▼ 駄目だこりゃ。遠藤会長が議論を本筋に戻す。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい。(療養病床の医療)区分が適切なのかという問題と同時に、受け皿がどれぐらいあるかということがむしろ安達委員や鈴木委員から出てきた話なのであります。

 また、この(後期高齢者医療)制度ができた時には、当時野党だった民主党などは「凍結すべきだ」ということで、今の厚労大臣なども反対されている、そういう案件であります。受け皿等々についての視点で、何かありますか? 

 西澤委員、受け皿問題というのが一方であるわけですが、それについてどう考えますか。この制度をこのまま存続させた場合。つまり、受け皿の問題があるので、むしろ現行の制度を変えるべきだという話が安達委員や鈴木委員から出てきたわけであります。
 つまり、脳卒中、認知症の患者に対する......、そういうことについての受け皿の問題があるのでこの制度はなくすべきではないかというのが......、そのように理解してよろしいですか、安達委員、鈴木委員。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 はい。(鈴木委員もうなずく)

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 というお話。そういう点についてはどのようにお考えになりますか?

 ▼ 遠藤会長が核心部分に話を進めたが、西澤委員が「受け皿の心配はない」と発言。"御用委員"の意見がどのようなものか、ぜひご覧いただきたい。

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 えと、あの、これはですね、平成10年に(老人長期入院医療管理料が)できた時はまだ療養病床が整備されていなくて、それから前回(改定)の時も、(障害者病棟や)特殊疾患療養病棟の患者の対象疾患を変えたりいろいろしていまして、その一連として、脳卒中や認知症を(90日を超えても減額されずにフラットで行ける対象から)外したということでございますので、ここだけの議論で外したわけではなかったと思っています。

 そういうことで、療養病床の対象患者とか、ほかの所をにらみながらやっていくべきじゃないかなと思っています。一般病床の中には、特殊疾患の療養病棟と、それから障害者施設等の点数がございます。そこら辺のことも併せて議論しないとですね、駄目じゃないかなと思っています。

 それで認知症、脳卒中の後遺症(患者)は前回(改定)で抜いたけれども、その時点で入っている方はですね、経過措置もありますので、新たにということですので、あまりあの、受け皿、そこからあの......、既に対象者である人は......、そこから出すということは前回もしておりませんので......、受け皿という心配は全くないと思います。

 ▼ 話にならない。まるで事務局の答弁みたいだ。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 ありがとうございます。意見が分かれているわけでございます。ほかに、これについてご意見......。できれば、本日これをまとめたいと思ったのですが、なかなか難しいかなという感じになってまいりました。(中略)

 ▼ この後もしばらく議論が続いた。遠藤会長が「はっきり言ってしまうと、脳卒中や認知症の患者を通常の患者と同様に減額の対象とするということをこれからも続けていいですか、いけませんかということです」と焦点を絞って質問。西澤委員はそれでもなお、「脳卒中と認知症を外しても現場に混乱はない」などと回答、鈴木委員らの意見と食い違ったため継続審議になった。また、「後期高齢者診療料」については、いったん廃止した上で新たな制度設計を検討する方向で合意した。


【目次】
 P2 → 「後期高齢者に係る診療報酬」 ─ 4つの論点
 P3 → 「論点が分かりづらい」 ─ 遠藤会長
 P4 → 「75歳以上だけ厳しく退院を迫る制度は廃止すべき」 ─ 鈴木委員(診療側)
 P5 → 「受け皿をつくらないと解消しない」 ─ 安達委員(診療側)
 P6 → 「高齢者は独特の病状」 ─ 白川委員(支払側)
 P7 → 「受け皿の心配は全くない」 ─ 西澤委員(診療側)
 P8 → 「無意味に近い延命に医療資源を投入している」 ─ 邉見委員(診療側)
 P9 → 「高齢者が亡くなるときは大往生、若い人と違う」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P10 → 「人権侵害があってはいけない」 ─ 勝村委員(支払側)
 P11 → 「まともにやっている医師が被害」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P12 → 「家族も含めた医療を進めるため評価すべき」 ─ 勝村委員(支払側)

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