差別医療か、平等な医療か
■ 「高齢者が亡くなるときは大往生、若い人と違う」 ─ 嘉山委員
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
我々は急性期の病院なので後期高齢者を診ないというわけではなくて、ちゃんと、患者さんが急変した時には診ているわけですが、ちょっと違和感があるんですね、皆さんの議論......、患者さんの視点が完全に抜け落ちているんじゃないかという気がしてしょうがないんですね。
例えば、この後期高齢者医療制度をいろんな本を読んで勉強してみたんですけど、10年、20年前の老人病院がひどかったというところから議論が始まって、なんとかそれを良くしようという制度、これがいろいろ問題があるんでしょうけど......。
例えば、看取りなんですけどね、後期高齢者(が亡くなること)と、若い人が亡くなることはですね、家族にとっても社会にとっても全然意味が違うんですよね。
後期高齢者が亡くなるときは、「大往生」と言うかですね、そういうときに今の現代医学ですと、1週間とか延ばすことはできるんですけれども、その大往生と、若い人が急に亡くなったという場合はですね、「看取り」という言葉がなかなか使えないですよ、若い人の場合は。これは若い時に人生が終わるわけですから、未来があるのに。
ですから、私はこの後期高齢者というのをきちんと......、廃止でもいいんですけど、廃止でもいいんですけど、看取りの場合はですね別にきちんと考えないと、若い人の場合は全く違うんですよ、これは。先生方は「同じだ」とおっしゃったんですが。
それから、今日のデータで出てきていないのは......。「本当に受け皿がない」とおっしゃっているんですけど、実際に困っている後期高齢者の患者がどのぐらいいるのかというデータを出していただきたいと思うんですね。
患者さん、あるいは国民からの目線が今日の議論に欠落しているなあと。今日は経営のことばかりお話しになっているので、ちょっとぼくは違和感を感じたので、事務局(保険局医療課)に、どれぐらい後期高齢者で保険料が未払いになっているのか、そういうデータはありますか?
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
後期高齢者の保険の自己負担未払いの話ですか? そうすると、直接この「(後期高齢者)終末期相談支援料」の話とは関係がない......。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
関係ないけど、実際にどのぐらいの......。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
どのぐらい高齢者の、あれが......ということですね。はい。高齢者の需要の実態ということも関係するだろうということでのご質問だと思います。(中略)
▼ 佐藤敏信課長が「保険局の他課と相談したい」と回答。
【目次】
P2 → 「後期高齢者に係る診療報酬」 ─ 4つの論点
P3 → 「論点が分かりづらい」 ─ 遠藤会長
P4 → 「75歳以上だけ厳しく退院を迫る制度は廃止すべき」 ─ 鈴木委員(診療側)
P5 → 「受け皿をつくらないと解消しない」 ─ 安達委員(診療側)
P6 → 「高齢者は独特の病状」 ─ 白川委員(支払側)
P7 → 「受け皿の心配は全くない」 ─ 西澤委員(診療側)
P8 → 「無意味に近い延命に医療資源を投入している」 ─ 邉見委員(診療側)
P9 → 「高齢者が亡くなるときは大往生、若い人と違う」 ─ 嘉山委員(診療側)
P10 → 「人権侵害があってはいけない」 ─ 勝村委員(支払側)
P11 → 「まともにやっている医師が被害」 ─ 嘉山委員(診療側)
P12 → 「家族も含めた医療を進めるため評価すべき」 ─ 勝村委員(支払側)