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ニュース〜医療の今がわかる

(新企画)村重直子の眼1 成松宏人・山形大特任准教授


村重
「血小板製剤の保存期間は、献血してから4日以内でしたっけ?」

成松
「実際は、集めて運んで製剤にしてということなので、本当に使えるのはそれよりかなり短いです。臨床の現場では、すぐなくなるので、ものすごく大事に大事に使っている製剤なんですね。献血者が減るということは、それがすぐ供給不足に直結します」

村重
「ストックできないですからね」

成松
「でも、不活化技術を使うと、保存期間が長くなってストックできるということなんです」

村重
「量の確保もできるし安全性も高まると」

成松
「ええ。だから、この不活化技術をリスク管理の手段として入れることは重要なんじゃないかと考えました」

村重
「今の先生のお話は、新型インフルエンザで献血者が減ってしまうことに対するリスク管理の観点ということでしたが、日常診療面でもメリットはあるんじゃないですか。今でも毎年数が少ないとは言っても肝炎とか、輸血によって感染してしまう人はいます。地球規模で人々が行ったり来たりする時代ですから、未知の病原体とか熱帯地域からの渡航者によって日本にないと思われていた病原体が入ってくる可能性もあります。そういう不測の感染症も防げるという意味では安全面のメリットが大きいですよね」

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