村重
「これからも、色々な制度の問題をきちんと議論していかないと薬害は繰り返されるだろうと思っています。そういう意味でも人ごとじゃないですよね。いずれは皆さん医療を受けるでしょうし、医療は必ずリスクを伴うものなので、必ず起きてしまう副作用をみんなで支え合うのか、それとも隠して薬害にしてしまうのかというところは、みんなで議論すれば変えられると思います」
坂田
「そうですね。この肝炎の問題は超党派の先生たちで解決してもらったということが非常に重要だったかなと思うんです。敵とか味方とか、そんなのじゃなくて、やはりみんなつながれる。つながればつながるほど世の中うまくいくんじゃないかと、そういう気がします」
村重
「そう思います。 政治家と言えば、財務省の主計官を紹介してくれた方もいたそうで」
坂田
「裁判が和解になった後で、民主党がまだ野党の時に、民主党肝炎対策本部というのを何回か開いてもらって。インターフェロン治療のための予算を組んであるんですけども、それがかなり余っちゃうんですね。せっかく予算を取っていただいたのに余ってしまうのはもったいない、一人でも多くの方に受けていただきたいというのがありましたので、何とかならないかと厚生労働省の方に何度質問をしても予算が余ったら返すんだみたいなことを言われました。だから私はどうにかできないかと思って、熊本県の財政課の担当者とか色々な方々にお会いしてお知恵を拝借して、最後に行き着いたところが、今の松野頼久官房副長官のところでした。財務の方に詳しいということでしたので、彼のところへ行きまして相談しましたら、すぐに財務省の主計官を呼んでくださいまして、そこで色々と教えていただきました。そこで厚生労働省の担当者に、『先日財務省の方とお会いしたらこの予算は医療という考えなので、足りない時もちゃんと国から出る。基金というものを作らなくても大丈夫ですと言われましたが、なぜその話を教えてくれなかったんですか』と言いましたら、『主計官と会ったんですか』とすごくビックリされてですね、厚生労働省の問題だけではなくて、予算の問題になると財務省の考えも必要になる。横とのつながりというか、そういうものが日本にはすごく足りないと思うんですよ。一つの会議にしても関係する省庁全部引きつれてくるみたいな、そういったやり方を今後やっていただきたいなというのが、私自身肝炎問題にいろいろ取り組んできた中で感じています。こういう会議には毎回厚生労働省と財務省は必ず同席するとかですね、素人の感覚だから、それがどういうことかというのも全然わからないんですけど、国民に分かりやすくそういうことを担当部署が説明してくれるということもあってもいいんじゃないかと、私たちなりに勉強もやっていきますけれど、やっぱり導いていただきたいなと思います」
村重
「厚労省の役人から財務省の役人に話を聴きに行くというのは、だいぶハードルが高いみたいですね。それこそ坂田さんのような熱意を持ってやろうと思えば、できる話だと思うんです。しかも役人の立場として財務省に訊くというのは、一般の方がそこまでのことをしてやっと話に行けるような状況に比べれば、電話一本とか、電話でアポイント取って行くとかで済むはずなのに、なかなかそれができない。それが縦割りと言われる構造なんだと思いますけど」