村重直子の眼12 本田美和子・国立国際医療研究センター病院医長(下)
本田
「どなたも、健康で長生きしたいなあと思っているわけですよね。でも、普段自分の健康に無頓着で、めちゃくちゃなことをしていた方が、病気になってしまった時だけ専門家に会いに行って、あなたは専門家なんだから病気を治してちょうだいねと一方的に頼むような、病気の専門家に自分を丸投げして、よくならなかったら許さないよという風潮は何とかしなければいけないと思っています。元気なときから自分のことに注意を払っておくことが今後ますます大切になると思いますし、実際、とても役に立ちますからね。健康手帳が自分を大事にするという気持ちを育むためというか、自分を大切にするための道具として使っていただければいいなと思います」
村重
「自分のことを知るというのが自分のことを守ることなんですよね」
本田
「そうなんです。今そういうことを理解しやすい土壌が、楽観視し過ぎかもしれませんけれど、少なくとも5年前と今とを比較すると、こういう話が届きやすくなっていると思います。世の中少しずつ変わっていくと思いますし、そんな時代にお役に立てるようになれば嬉しいと思いますね」