「医師が12.5万人不足」 ─ 本田宏氏の見解
■ 勤務医は1人でいろんな役割
[本田宏・済生会栗橋病院副院長]
日本の場合は多くの職種がないですから、1人の外科医が......。
例えば、手術をする前の検査をして、手術をして、極端に言えば病理も診て、抗がん剤の治療も当たり前。
緩和ケアもそう。具合が悪くなれば救急医の役割もする。これらを1人の医者がやってるんですよ。過重労働で、こういうのを1人でやって質が上がるわけがない。
日本リーグです。日本リーグのころはきっと、選手は自分のユニホームを洗濯していたんでしょうね。靴も自分で磨いたんです。今のJリーグはそれをやっていないと思いますよ。
Jリーガーは試合に勝てばいいの。あの選手は靴を磨くのがうまかったんだよね......って、ほとんど意味がないことですからね。よろしくお願いしたいと思います。これが日本です。
開業医の先生はちょっと事情が分かりません。私は勤務医代表ですが、勤務医は1人でいろんな役割......。これ、ちょっと時間があれば色々と笑わせるところなので残念なんですが......。
いろんな役割を持たされているわけでございますね。そして医師不足なので亡くなるまで働きますので......。ある調査によると、80歳の医師の労働時間は30時間。これが日本の医師の労働時間でございます。
世界の平均が310人ですよ、人口10万人当たり医師数。ところが、日本は310人を超えている所がありません。みじめなのは、100人以下の所が北海道2か所、青森、仙台、福島、茨城、千葉、埼玉......。100以下ですよ。
本当に、やっぱり医療、福祉、教育をちゃんとしないと、経済発展もないんじゃないかと思いますけれども......。生意気なことを言っておりますが、いかがでしょう?
【目次】
P2 → 私にとって最初で最後の機会
P3 → 日本にはグランドデザインがない
P4 → 日本の医療はガラパゴス状態
P5 → 医療が進歩すると医者が必要
P6 → シンプルに計算すると12.5万人不足
P7 → 実働時間を確認しない調査
P8 → 救急、麻酔、がん関連医が不足
P9 → コメディカルをできるだけ増やして
P10 → 勤務医は1人でいろんな役割
P11 → 相対的には余っている部分も
P12 → 茨城、埼玉、千葉に医学部を