医師不足対策に「医学部新設」も ─ 文科省素案
■ 「論点整理が議論の方向性を制限する」 ─ 中川委員
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
事務局として少し肉付けをした割にはですね、下線部分が多すぎますよ。課長、あなた、就任して何日ですか? いや、これ、真面目な話としてきいております。申し送りでここを肉付けしたんですか?
[文科省高等教育局医学教育課・村田善則課長]
ご議論いただいたことを大切にしながら、先ほど申し上げたような観点で整理をさせていただいたものでございます。
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
例えばですね、7ページの「総合医の必要性」。随分、いろんなことを書いてありますけれども、こういう議論が出ました? ヒアリングの中でも、これだけ1ページを割くような議論が出ましたか?
[文科省高等教育局医学教育課・村田善則課長]
そういう意味では繰り返しになりますけれども、委員のご意見と区別する意味で書かせていただいた。ただ、その文量が多い云々というご議論はあるかもしれません。そこは、ご議論いただければと思っております。
[中川俊男委員(日本医師会副会長)]
私は何を言いたいかというと、こういう検討会で事務局として論点整理というものを出すとですね、これがいつまでも残ってですね、非常に議論の方向性を制限するんですよ。事務局が議論をリードするんじゃなくて、議論は座長がリードするんですよ。
課長、申し訳ないが、端々に「座長と相談しながら、相談しながら」っていう、そういうフレーズはやめてもらいたい。事務局として責任を持ってもらいたい。
[文科省高等教育局医学教育課・村田善則課長]
そういう意味では私どもの独断でということではなく、まさに安西座長とご相談しながら、ご指示を踏まえて作成したものでございます。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
私のほうからもお答えをしておきたいと思います。まず、7ページの上のほうには「特にさらなる議論が必要と思われる項目」とありまして、それから12ページの一番上の所に「引き続き議論が必要」ということで、一応分けてございます。
まあ、大体こういうことかなということで、事務局にはおまとめしていただいておりますけれども、「そうじゃないよ」ということがあればぜひ頂きたいと......。
私自身はこの委員会の総意をもって、それで進めていきたいと考えておりますが、一方で、ある程度こういう「たたき台」というんでしょうか、それを出していただかないといけないので、そういうことでやらせていただいておりますので、先ほどから申し上げておりますように、どうぞ忌憚のないご意見を頂ければと思います。
それから、下線を引いてあるというのはむしろ、こういうときに事務局が何となく刷り込ませることがよくあるので、むしろ逆に、下線を引いてもらったということでございますので......。
この種の委員会で、よくそういうことが起こりがちなので、それを控えるようにしてもらっています。従って、もし下線部分が多すぎるという、今、中川委員のようなご意見もあるかと思いますので、それは私自身は委員の皆様のご意見に沿って進めていきたいと思いますので......。
今のご意見も大変貴重だと思いますので、どうぞ、そういうことも含めてご指摘頂ければと思います。「そんなこと言ってなかったじゃないか」ということがあれば、むしろご指摘頂きたいと思います。
(今井委員が挙手)
どうぞ。
【目次】
P2 → 「必要なリソースをちゃんと確保していく」 ─ 鈴木副大臣
P3 → 「頂いた意見に少し肉付けしてまとめた」 ─ 文科省
P4 → 「論点整理が議論の方向性を制限する」 ─ 中川委員
P5 → 「東側の医師を増やすような方策が必要」 ─ 今井委員
P6 → 「高齢医師に実戦力として期待できるか」 ─ 平井委員
P7 → 「医療資源を再配分する仕組みが重要」 ─ 山本委員
P8 → 「医科大学を増やしても10数年かかる」 ─ 栗原委員
P9 → 「改革を最低限完全に生かすように」 ─ 濱口委員
P10 → 「具体案を出さないといけない」 ─ 安西座長
P11 → 「地方に行かせる強制力がない」 ─ 木場委員
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