医師不足対策に「医学部新設」も ─ 文科省素案
■ 「改革を最低限完全に生かすように」 ─ 濱口委員
[濱口道成・副座長(名古屋大学総長)]
先ほどのまとめのところで、地域枠とか増やしても限界があるから新設しなきゃいけないとか、これは現場を預かっている者として非常に不愉快な表現なんですね。地域枠で1200人も増やすと言っても、実際には1200人に見合った教員の手当も施設もやられてないですね。
それもできないような状況でですね、新設するということは1つの大学で400億とか掛けなきゃいけないほど増えるわけですね。そんな予算が、余裕があったらですね、1200名をちゃんと育てていただきたいというのが現場の実感ですね。
地域枠で奨学金を出さない初期(研修医)の人たちでも、ちゃんと地域に定着しているわけですから、奨学金を出して地域に定着させようとしてもマキシマムは9年なんですね。これを、教育課程をもっと充足させて、彼らにやりがいを感じさせるようなしっかりとした使命感を与えるような教育体制にもっと投資していただければですね、9年間で1200人が働くのが10年、20年と延びてくるわけですから。
まず、私の私見はですね、改革してきたことを最低限、完全に生かすような形にしていただかないと、それを抜きにしてはですね、新設だ何だと言っておってもですね、本末転倒ではないかなというのが先ほどからの話で感じていることでございます。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございます。(中略)
【目次】
P2 → 「必要なリソースをちゃんと確保していく」 ─ 鈴木副大臣
P3 → 「頂いた意見に少し肉付けしてまとめた」 ─ 文科省
P4 → 「論点整理が議論の方向性を制限する」 ─ 中川委員
P5 → 「東側の医師を増やすような方策が必要」 ─ 今井委員
P6 → 「高齢医師に実戦力として期待できるか」 ─ 平井委員
P7 → 「医療資源を再配分する仕組みが重要」 ─ 山本委員
P8 → 「医科大学を増やしても10数年かかる」 ─ 栗原委員
P9 → 「改革を最低限完全に生かすように」 ─ 濱口委員
P10 → 「具体案を出さないといけない」 ─ 安西座長
P11 → 「地方に行かせる強制力がない」 ─ 木場委員
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