医師不足対策に「医学部新設」も ─ 文科省素案
■ 「医療資源を再配分する仕組みが重要」 ─ 山本委員
[山本修三委員(株式会社日本病院共済会代表取締役社長)]
(前略)論点整理の3ページの「]医師派遣システムの再構築」について。
・ 大学病院の医師派遣システムの再構築に当たっては、透明性を高める観点から、講座単位ではなく大学として医師派遣を行う体制の構築が必要である。▼ 資料はこちら
・ これらの体制構築とともに、地域医療を支援する人材を大学病院に在籍させて、大学で教育研究をしつつ地域医療を支える体制を築いていくことが有効である。
・ なお、地域の医師派遣システムの再構築に関連して、厚生労働省が予算財政面で支援し、都道府県が実施する地域医療支援センターの運営にあたっては、医師のスキルアップの場であり、地域における医師派遣の実績をもつ大学病院が関与することが重要であり、国として積極的に大学、都道府県間の連携を促していくことが重要である。
この場は文科省ですので、とにかく大学中心に......、それは理解しておりますけれども、地域医療の再構築とか再編、かつそれを維持していこうという仕組みは医師の派遣だけではできない話だろうと思っております。
そういう意味では、今ある地域の医療需要に対してどういう医療資源を再配分していくんだと、こういう仕組みをつくることが非常に重要ではないかなと思っております。
そうした中で、例えば大学の医師派遣システムの構築にあたって透明性云々とか、いろいろ書いてございますけれども、これは大学がそういう形で医師を派遣してくれるということであればいいかもしれませんが、「大学の都合で派遣できません」って言うと、地域医療そのものが大学の派遣機能の有無によって左右されるような地域医療であってはならないと考えているわけでございます。
ですから、あくまで仕組みというものがあって、その中で本来いろんな考え方があるんでしょう。「この地域だったら遠隔医療の推進でできるじゃないか」とか、「ここは道路が必要だ」とか、「ここはヘリを飛ばせばいい」とかですね、「ここは医者が動けばいいじゃないか」とか、そういうふうな、いろんな地域での知恵があるんだろうと思っております。
そういうことを踏まえて、きちんとした医師を配置できるような仕組みの中で、「やはりここは大学が手を出さないと駄目だよ」という所がやっぱり本来の大学の派遣機能ではないかなと、そんなふうに思っておりますので、そんな視点でおまとめいただければありがたいなと思っております。
[安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)]
ありがとうございます。
今井委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「必要なリソースをちゃんと確保していく」 ─ 鈴木副大臣
P3 → 「頂いた意見に少し肉付けしてまとめた」 ─ 文科省
P4 → 「論点整理が議論の方向性を制限する」 ─ 中川委員
P5 → 「東側の医師を増やすような方策が必要」 ─ 今井委員
P6 → 「高齢医師に実戦力として期待できるか」 ─ 平井委員
P7 → 「医療資源を再配分する仕組みが重要」 ─ 山本委員
P8 → 「医科大学を増やしても10数年かかる」 ─ 栗原委員
P9 → 「改革を最低限完全に生かすように」 ─ 濱口委員
P10 → 「具体案を出さないといけない」 ─ 安西座長
P11 → 「地方に行かせる強制力がない」 ─ 木場委員
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