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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議班会議2

岡井
「専認協として、これまで専門医制度の体制固めの動きはあったが、所属している学会から見ると著しい前進があったとは思えない、そういう認識があると思う。この機構は公益法人だが、社員は各学会で、お金を各学会が出している。この立場では、学会の意向で活動することになる。そうすると専門医制度を、どう定着させるかということになって、厚労省と交渉するのがメインになる。機構の意思は社員の意思できまるので学会の言うことをきかざるをえない。

機構は患者のため国民のためと言う、ところが社員である学会代表は学会会員の利益を考える立場にいて、自分達の学会を主張する。ここに矛盾がある。学会の代表者が集まるのではなく、もうひとつステータスを上げる方向にもっていかないと、学会の意見を聴いても何も進まないことになりかねない。組織をもう一歩上にあげる努力がいるのでは」

池田
「大切なご意見と認識している。この機構の歴史を申し上げたが、学会が集まり考える。成り立ちはプロの集団の集まりとしてよかったが、はっきり専門医制度はどういう役割かという視点に代わっているので、今は学会だけがつくっている、学会が金をだしている機構で学会の意向を無視して方向性を決めるのは難しいと思っている。第三者中立的というからには経済的、組織としても相応しい組織の在り方を模索せねばならない。現在経済基盤確立の努力をしている」

土屋
「ご指摘のように専認協は各学会のあつまり。アメリカは学会代表も出ているが、学部長、病院長の代表、医師会代表、同じ医者でも違う職域を網羅している。教育専門家も網羅している。第三者機構という形の綱引きができている。関係者だけでも第三者的な活動ができる。機構は学会代表だけ」

池田
「ご批判は当然あるので、審議会として日本医師会、医学会、有識者、メディアが入ったものを設けて中立的第三者的立場をある程度反映させたいとつくっている」

外山
「ラディカルに考えてうまくいくと良いと思うが、ラディカルというのは今の日本の学会のありかたは決してきちっといっているとは思っていない。アメリカと比べても。どの学会でもとはいわないが。学会の体質をどう変えていくかインセンティブが必要。土屋先生もおっしゃったように変えていくことができると思う。アメリカでは理事会に医師だけでなく、アシスタントフィジシャンを入れたり、レジデントも入れたりしている。学会だけの意見で決めないというブレーキがかかる。25名のうち20名が学会関係者だと多数決ならそちらに動くように思うが、しかしそれでもそれなりの公平性・客観性が保たれているように思える。学会の質にある程度切り込まないと基本的問題解決にはならないのでは」

池田
「学会へのご指摘はある点当たっているが、ある領域の学会では学会の在り方を考えて代わろうとしている学会はかなりある。血液学会は70年の歴史をもった学会と50年の歴史の似たような学会があったが、1つの学会にして、患者からみてわかりやすい学会にしようと変わってきた。70年50年の歴史を一気にかえるのは難しいがそういう動きはみられているので、学会も日本の医療の現状をみて、変わらざるを得ない状況になっていると思う。今までは学問の交流に終始していたが、社会的な医療を中心に考えるということになると社会性、対患者を意識しなければならない。もともと日本の学会は学問的なことをディスカッションするためにできた経緯があるのだが、変わりつつあると思うので、みていきたいと思う。変化のスピードはたしかに学会によって様々。それをどうまとめて良い方向にもっていくか。機構のもつ課題は重要で任務も重いと思うが、その方向に向かって学会、患者さんの意見を吸い上げて一歩一歩と思っている」

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