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「交替勤務できる周産期センター体制を」―医師確保・労働のバランスは


 
 会合の最初に、今年度の会長として岡井崇昭和大教授が前年度に引き続いて選出された。
 
 岡井会長の挨拶は、次の通り。
 
岡井会長.jpg「昨年度に引き続き会長をさせていただきます。どうぞ、ご協力をよろしくお願いいたします。この協議会は、都民の皆さんに質の高い周産期医療を提供し、安心して出産してもらえるように周産期医療体制を整備・充実させることが目的。東京都におきましても、現在の周産期医療が抱えている様々な問題が同じように存在しています。その背景には、日本全体が抱えている医療の問題、根本的な問題が存在します。わたしたちは力の及ぶ限り、それぞれの問題の解決に最大の努力をしていかないといけないと思っています。ここでわたし自身が注意しないと思っていることがありまして、それはその場限りの場当たり的な対応とか、その場しのぎのような対策ですませてしまってはいけないということ。長期的な視野に立って、都の周産期医療体制をどういう方向にもっていくのが正しいのか、その方向に進むようにやっていきたい。ということを、今日、ここに来る前に自分自身に言い聞かせてきました。委員の皆様にはご協力をよろしくお願いしたい」
 
 
 続いて、事務局が今年度の協議会の議論の素材として、猪瀬直樹副知事が昨年秋から実施してきた、周産期医療体制整備プロジェクトチーム(PT)について報告した。このPTも妊婦の受け入れ不能問題を受けて発足したもので、専門家から成る協議会とは違い、「都民・利用者の視点から」周産期医療体制について、3度にわたる提言を行っている。
 
一次提言 2009年2月10日 猪瀬副知事が岡井会長に提案書を提出
周産期コーディネーターの運用等について
(1)診療科可否情報の簡素化...母体・新生児搬送コーディネーター(仮称)が搬送先病院を調整する際は、詳細な項目が列挙されている「周産期医療情報システム」によるのではなく、産科・NICUそれぞれの受け入れ可否状況を電話で把握した上、それに基づき行うべき。
(2)患者情報連絡票の簡素化...搬送元医療機関が母体・新生児搬送コーディネーターに搬送先病院の調整を依頼する際は、患者情報が正確に伝わるよう連絡票の送付を行うべき。また、その様式は、緊急時にも手間がかからないよう、伝達すべき項目を厳選した簡便なものとするべき。
 
二次提言 3月17日 副知事が舛添要一厚生労働相に要望書を提出
NICUの整備促進に関する国への緊急要望
(1)NICUの診療報酬(総合周産期母子医療センターで現在1日当たり8万6千円)を、実態に合わせて大幅に引き上げること 
(2)現在の国庫補助制度は、補助額の算定に当たって、M-FICU数が算定基準になっている。NICUの整備促進を図るため、総合周産期母子医療センターの国庫補助算定基準にNICU数を加えるとともに、地域周産期母子医療センターに対してもNICU数を算定基準とした国庫補助制度を創設させるなど、国庫補助を充実させること
 
三次提言 4月24日 国・医師会・区市町村への提言、都が対応すべき事項の取りまとめ
全般にかかる事項
(1)セミオープンシステムのさらなる普及
(2)医師の確保
(3)女性医師の勤務環境改善
(4)在宅重症心身障害児(者)施策の充実や在宅医療環境の整備
(5)産科医療補償制度の充実
(6)妊婦検診の受診促進
(7)周産期母子医療センターに対する補助制度の充実
(8)GCU(回復室)やその他の退院先の病床など後方病床の充実
(9)周産期医療体制の運用にかかる情報収集・検証および公表
(10)レセプト並みの支払明細書発行の取組

 
 この提言内容に基づき、事務局は今年度の検討事項として、次を提案した。
 
(1)スーパー総合...母体搬送システムの検証
(2)周産期母子医療センター...NICUの整備目標の策定、国の周産期医療システム整備指針への対応
(3)周産期コーディネーター...事業開始に向けた検討(運用方法、マニュアル作成、人材確保、研修)、搬送困難事例などの情報収集、検証
(4)NICUからの円滑な退院に向けた取り組みへの支援...検討会の立ち上げ、退院支援に関するニーズ調査
(5)ネットワークグループの構築...オープン、セミオープンシステムの各地区の取り組みの拡充
(6)周産期医療体制の運用にかかる情報収集・検証...日頃からの情報収集(収集する情報の種類・内容、収集方法の検討)、検証・公表


 この協議事項について、委員がフリーディスカッションした。岡井会長は都としての対応を求められているPTの3次提言の内容に関して、委員からの意見を求めた。
 
 その中で、医師の労働環境と医師数のバランスについての話題が上がった。委員の発言要旨は次の通り。
 

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