薬価維持特例の試行的実施に向けて (3)
■ 「医薬品の研究開発は税制などで支援されている」 ─ 小林委員
[小林剛委員(全国健康保険協会理事長)]
今回の資料の中で、8社の売上(高)、営業利益が示されている。先ほど、「(売上の)半分以上を海外で上げている企業もある」という話があった。
売上高、営業利益に占める診療報酬にかかわるもの、このウェイトは各社によって違うと思うが、大体どのぐらいあって、それが年々どのような傾向にあるか、増える傾向か減る傾向かを教えていただきたい。
[遠藤久夫部会長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
長谷川社長、お願いいたします。
[長谷川閑史・武田薬品社長(日本製薬工業協会副会長)]
ご質問の趣旨は、医療用医薬品の売上と、その利益がどのようになっているかということ......?
[小林委員(全国健康保険協会)]
はい。
[長谷川社長(製薬協副会長)]
ここにお示ししている数字は連結の売上高。当社を例にとると、1億5000万円の売上になっているが......。あ、失礼しました。1桁間違えていた。1兆5000億円の売上で3000億円の営業利益になっているが、医療用医薬品は1兆2000億円弱でございます。
ただ、利益はあまり正確でないかもしれないが、9割が医療用医薬品の利益とお考えいただいて、そう大きく間違っていない。
[小林委員(全国健康保険協会)]
国内の製薬企業の研究開発を推進する必要性は十分理解できるが、医薬品の研究開発に関しては産業振興等の観点から、税制や税財源などからも支援されていると思う。
そういう性格を持つ新薬の研究開発のための費用、これは患者負担や保険料負担に影響を及ぼすような診療報酬......。これはどこまでこういったもので対応すべきかは今後の議論になると思うが、十分、慎重に......、議論してほしいと考えている。
[遠藤部会長(中医協会長)]
ご意見ということでございますね。はい。山本委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「海外で稼いだ利益を日本に納税している」 ─ 長谷川氏(日薬連)
P3 → 「日本市場の魅力が非常に落ちてきている」 ─ 関口氏(製薬協)
P4 → 「外資系だけでは薬剤の供給体制に支障をきたすか」 ─ 中川委員(日医)
P5 → 「外資と内資が一体となって投資・生産する時代」 ─ 北村委員(経団連)
P6 → 「医薬品の研究開発は税制などで支援されている」 ─ 小林委員(全国健康保険協会)
P7 → 「試してみる必要性はあるのではないか」 ─ 山本委員(日薬)
P8 → 「効率化のメカニズムが働かないところに大きな懸念」 ─ 藤原委員(日医)
P9 → 「維持特例ということも検討していいのではないか」 ─ 小島委員(連合)
P10 → 「新たな医療費財源が発生する」 ─ 中川委員(日医)