「ドキシル」出来高算定でも、厚労省の方針に変更なし
■ 「他の高額薬剤を考える場合にも大変重要」 ─ 齊藤委員
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございました。今の説明に対して、ご質問、ご意見などございましたらお願いします。いかがでしょうか。
(挙手なく、しばらく沈黙)
特に、パターンⅡのドキソルビシンについて医療費に差が出てくるというところが......。その対応に関しては、この診断群分類だけ(次期改定まで)出来高払いに移行してはどうかというお考えですが、いかがでしょうか。齊藤委員、どうぞ。
[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
いろいろな化学療法の中で、「ドキソルビシン」がかなり特殊な島を形成しているということですが、それはこの薬剤のどういう特性に由来したものと考えられますか。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
もし、お答えできるようなら企画官、お願いします。
[保険局医療課・迫井正深企画官]
今回の分析に当たっては、薬理学的な、あるいは臨床的な意味合いよりも、むしろ診療報酬改定時に診断群分類を設定するかどうかでどのような影響があったかを診療報酬の面を中心に分析しました。
ですから、薬剤にかかる臨床的な特性という意味では我々のほうでは整理していません。「本来、こういう取り扱いが可能だったのではないか」ということをレビューしたということです。
[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
臨床現場でも使い方に由来する。あるいは入院期間の設定法などに由来する部分もあると思う。(佐藤敏信・医療課長が大きくうなずく)
なぜ、「ドキソルビシン」だけが特殊な島を形成するのか。今後、他の高額薬剤を考える場合にも大変重要な内容を含んでいるように思います。これは引き続きご検討いただくことでいいと思います。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
貴重なご意見だと思います。もともと、この診断群分類をつくっていくときには我が国独自の方法で進めてきて、こういう形になった......。
[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
これと直接関係するかは分からないが、新しい化学療法に関係している方にご意見を伺うと、入院期間がその薬剤については2日か3日あれば十分なんだと。
だけど、期間を長く、(入院期間)Ⅰを長く設定して、その間は在院しないとペイしないんだと。3日間ぐらいで出ちゃったら赤字になってどうにもならないんだという事案もあってですね、これも一種のドラッグ・ラグに近いものかなあと......。
つまり、情報が十分に反映されない格好で設定されているために、ということなのかもしれないが、この高額薬剤はいろいろな内容を含んでいますので、慎重な分析をお願いしたいと思う。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
診断群分類をつくるのは齊藤先生の(MDC毎作業)班でやっていただいているが、現場のドクターのご意見を聴いてつくってきたという経緯があります。実際の実証は......みたいなことになっているのでこういうことが起こったのじゃないかと考えられます。
どうぞ、山口委員。
【目次】
P2 → 高額薬剤23製品の概要1(経緯など)
P3 → 高額薬剤23製品の概要2(分類表)
P4 → 分析方法
P5 → 分析結果1 ─ 図の見方
P6 → 分析結果2 ─ 全体の分布状況
P7 → 分析結果3 ─ パターンⅠについて
P8 → 分析結果4 ─ パターンⅡについて
P9 → 分析結果5 ─ ドキソルビシンについて
P10 → 分析結果6 ─ ソラフェニブトシル酸塩など3薬剤
P11 → 分析結果7 ─ まとめ
P12 → 今後の対応案
P13 → 「他の高額薬剤を考える場合にも大変重要」 ─ 齊藤委員
P14 → 「価格は高いが在院日数が短いのが理由」 ─ 山口委員
P15 → 「傾きか平行移動かで今後の方向が違う」 ─ 伊藤委員