「ドキシル」出来高算定でも、厚労省の方針に変更なし
■ 「傾きか平行移動かで今後の方向が違う」 ─ 伊藤委員
[伊藤澄信委員(独立行政法人国立病院機構医療部研究課長)]
(資料)「D─1─4」は非常に面白い。緑色○とブルーの×部分とで、平行移動しているのか、そうではなく傾きが違っているのか。「ドキソルビシン」だけは平行移動しているように見えるが、ほかは傾きがずいぶん違っているんじゃないか。
薬のせいで違っているのか、こういう薬を使う施設で違っているのか。そこら辺は分析したことがあるのでしょうか。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
企画官、お願いします。
[保険局医療課・迫井正深企画官]
結論を言いますと、傾きなり、この要因は何なのかということについては、今後、ここでご議論いただくときに一定程度の整理が必要かなと考えています。
こういう傾きの一つの理由は、主に入院基本料をはじめとする、(入院)日数に比例するような診療報酬が含まれている関係で、一定の傾きがまずベースにあって、それに薬剤がどう関与するかで傾きの影響がさらに変わっていくということだろうと思われます。
そこの詳細な、確定的な分析は現時点ではしていません。今後、引き続き検討を進めていきたいと考えています。
[伊藤澄信委員(独立行政法人国立病院機構医療部研究課長)]
あまり混乱させるのは好きではないが、もし平行移動であるんだとしたら、薬剤の価格の分だけ上に平行移動するんだろうなあと思う。
(佐藤課長がうなずく)
そうだとすると、特定の薬剤だけ上乗せ算定する。(5つの診断群分類について)「すべてを出来高算定ではない形にしたほうが綺麗かな」と思ったりする。傾きが違っているのか平行移動なのかで今後の方向が違うと思う。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
ありがとうございます。ほかにご意見ございますか。今回の資料はこれから高額薬剤を考えていく上で非常に良い資料になると考えています。さらに分析をしていただいて......。これから2年間かけてやらなければいけませんので、よろしくお願いいたします。
ほかに、よろしいでしょうか。この「ドキソルビシン」に関してはこういう形で、現時点では診療報酬改定が済んでいるのでこの診断群分類のみ出来高にするという提案ですが、それでよろしいでしょうか?
(委員ら、うなずく)
じゃ、そのような形にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(以下略)
【目次】
P2 → 高額薬剤23製品の概要1(経緯など)
P3 → 高額薬剤23製品の概要2(分類表)
P4 → 分析方法
P5 → 分析結果1 ─ 図の見方
P6 → 分析結果2 ─ 全体の分布状況
P7 → 分析結果3 ─ パターンⅠについて
P8 → 分析結果4 ─ パターンⅡについて
P9 → 分析結果5 ─ ドキソルビシンについて
P10 → 分析結果6 ─ ソラフェニブトシル酸塩など3薬剤
P11 → 分析結果7 ─ まとめ
P12 → 今後の対応案
P13 → 「他の高額薬剤を考える場合にも大変重要」 ─ 齊藤委員
P14 → 「価格は高いが在院日数が短いのが理由」 ─ 山口委員
P15 → 「傾きか平行移動かで今後の方向が違う」 ─ 伊藤委員