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「ドキシル」出来高算定でも、厚労省の方針に変更なし

■ 分析結果1 ─ 図の見方
 

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 分析の結果、どんな結果になったかを説明したい。まず、資料「D─1─3」(診断群分類ごとの分析結果)を見ていただきたい。合計4つのグラフがございます。04_0519DPC評価分科会.jpg
 最初のグラフは図の見方を解説しています。いろいろな分析を試みまして、「これが一番分かりやすかろう」ということで、その結果を報告します。
 診断群分類の中にある薬剤を使ったグループと使わないグループで、「平均在院日数」と「コスト」が変化するので、それを比較しました。

 まず、X軸は平均在院日数がどれぐらい変化したか。Y軸は医療資源の投入量がどれぐらい変化したか。薬剤を使ったほうが平均在院日数が長くなる場合には、X軸が1以上になります。

 同様に、薬剤を使ったほうが資源の投入量が1入院当たり増えたという場合には、Y軸が1以上になります。X軸とY軸に赤い線が引いてあるのはそういう意味です。

 まず、ブルーの卵形の部分。ここは薬剤を使ったことで平均在院日数が短くなってコストが増えているということになるので、通常ですと、別の診断群分類を設定するのが当然ふさわしい。

 同様に、黄色の部分。これは薬剤を使ったら平均在院日数が長くなって、かつコストが下がったということで、理論的には説明が難しい。本当に(そういうケースが)あるのかと。なかなか想定されないのではないかというグループです。結論から言うと、そういう診断群はなかった。
 数学的に言うと、第1象限と第3象限になるような診断群分類、すなわち平均在院日数が変化して、それに見合った分、診療報酬、資源の投入量が増えたかどうかを比較するのが適切だろう。

 特に、1入院当たりの平均医療資源の投入量には、いわゆる入院基本料など平均在院日数に比例して変化するものも含まれているので、平均在院日数の影響をある程度除去するためにこういう比較をした。

 ですから、Y=Xの線に近い所は平均在院日数の伸びに従った変化にほぼ等しいので、あまり薬剤の影響はないのではないか。例えば、緑の▲の所はあまり変化はないのではないか。
 逆に、赤い■の所はそれよりもやや離れているので、平均在院日数の変化よりも薬剤コストの変化が大きいのではないか。こういうふうにグラフを見てください。
 

 【目次】
 P2 → 高額薬剤23製品の概要1(経緯など)
 P3 → 高額薬剤23製品の概要2(分類表)
 P4 → 分析方法
 P5 → 分析結果1 ─ 図の見方
 P6 → 分析結果2 ─ 全体の分布状況
 P7 → 分析結果3 ─ パターンⅠについて
 P8 → 分析結果4 ─ パターンⅡについて
 P9 → 分析結果5 ─ ドキソルビシンについて
 P10 → 分析結果6 ─ ソラフェニブトシル酸塩など3薬剤
 P11 → 分析結果7 ─ まとめ
 P12 → 今後の対応案
 P13 → 「他の高額薬剤を考える場合にも大変重要」 ─ 齊藤委員
 P14 → 「価格は高いが在院日数が短いのが理由」 ─ 山口委員
 P15 → 「傾きか平行移動かで今後の方向が違う」 ─ 伊藤委員

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