「ドキシル」出来高算定でも、厚労省の方針に変更なし
■ 分析結果2 ─ 全体の分布状況
[保険局医療課・迫井正深企画官]
これが全体の総括表です。
今回、該当する診断群分類は多数あるが、薬剤を使った症例数が非常に少ないものは分析に値しないので、10症例以上あるものをピックアップした。
青い◆は、新規に診断群分類をつくったグループ。赤い■のグループは、「ドキソルビシン」(=ドキシル)を除いて包括化した。黄色の●はドキソルビシンです。
全体的に、赤い■のグループはY=Xに近い所に分布している。青の◆はかなり分布にばらつきがある。これは分岐を作ったものがほとんどです。
先ほど、ブルーの卵形の部分は薬剤を使ったことで平均在院日数が短くなってコストが増えているということになるので、別の診断群分類を設定するのが当然ふさわしいと説明したが、現に分岐をつくったものがほとんどです。
こうして見ると、ドキソルビシンはY=Xから離れた所に分布しているので、(今回の改定で)包括した他の3薬剤との比較で言うと、このグループとしてなじまない可能性が高いということが示唆されます。
▼ 既存の診断群分類に包括せずに新たな分岐をつくるべきだったという説明だが、これはいわゆる「行政の不作為」ではないか。今回のような検証を他の薬剤についても実施するかについて、厚労省の担当者は会議終了後のブリーフィングで「そのつもりはない」と述べた。患者団体らが声を上げなければ容易に動かないということか。
【目次】
P2 → 高額薬剤23製品の概要1(経緯など)
P3 → 高額薬剤23製品の概要2(分類表)
P4 → 分析方法
P5 → 分析結果1 ─ 図の見方
P6 → 分析結果2 ─ 全体の分布状況
P7 → 分析結果3 ─ パターンⅠについて
P8 → 分析結果4 ─ パターンⅡについて
P9 → 分析結果5 ─ ドキソルビシンについて
P10 → 分析結果6 ─ ソラフェニブトシル酸塩など3薬剤
P11 → 分析結果7 ─ まとめ
P12 → 今後の対応案
P13 → 「他の高額薬剤を考える場合にも大変重要」 ─ 齊藤委員
P14 → 「価格は高いが在院日数が短いのが理由」 ─ 山口委員
P15 → 「傾きか平行移動かで今後の方向が違う」 ─ 伊藤委員