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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼6・井上清成弁護士


村重
「飛行機に乗る時も皆さん保険かけるわけですから、医療を受ける時の表の保険と同時に裏の保険もかけておくということですね」

井上
「表の方も皆保険ですから、一つ一つ明示的にかけるわけじゃないけれども、そうですね。本人が、リスクとか利益とかいちいち狙ってやるものではない。だったら裏の保険も、一つ一つ意識はしないけど、たまたまぶつかってしまった人、ラッキーなことにぶつからなかった人をトータルに見て公平に行くようにできないかと」

村重
「皆でリスクを分散させましょうということですね」

井上
「そういうことです。目的は、不公平な残念な結果を甘受しなければならないある特定の人に対して、できるだけ公平に起きてしまった損害、被害というと加害者がいるようですが法律家的に言うならば、不公平な被害を皆で補填してあげようと。あくまでも起こった被害というか被害者を救済してあげようというのが目的です」

村重
「誰かの責任を追及するのが目的でなくて、救済が目的と」

井上
「加害者を探して制裁を加えるということが第一義的に大切なことではなくて、起きてしまった被害をいかにして皆救うかという方が重要なことなので、まずはそれをどこまでやれるかということですね」

村重
「加害者を特定する必要がないわけですね」

井上
「できるだけ多くの人を救済しましょう、できるだけ公平に救済しましょうということを皆保険でできれば、表と合わせて本当の名実共に皆保険になると思います」

村重
「公平に救済しましょうというのは、裁判を起こした人だけがたくさんお金をもらえるのではなくて、ということですね。裁判という大きなハードルを越えなくても、公平に皆が救済される」

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