村重直子の眼16・近藤達也PMDA理事長(中)
村重
「私はドラッグラグはなくならないと思うんです。PMDAは申請を受けて始まるわけですからメーカーが申請して来ないと始まらないわけですよね。でもメーカーの立場から見れば、グローバルに開発しているような大きなメーカーは、日本に早く持ってくるインセンティブがあまりないんじゃないかな、と。だから、現に持って来てない薬や医療機器がたくさんあるわけです。海外にはあるけれど、日本にはないまま持ってこないものがたくさんある。ラグ(遅れ)どころか、日本には存在しないわけですよね」
近藤
「本当に必要な薬だったら、日本での開発も進むでしょう。本当に必要な薬かどうかというところではないでしょうか」
村重
「でもメーカーのインセンティブは、患者にとって必要かどうかだけではないので」
近藤
「オーファンドラッグはオーファン向けの制度もありますし」
村重
「ええ。でも他にも色々な問題、薬価の問題もありますし」
近藤
「それはあるかもしれませんね。皆保険である反面、薬価の問題が日本には残ってしまう可能性はあります」
村重
「ドラッグラグはなくならないということです」
近藤
「どんな医薬品でも日本で承認すべきというのは、おかしな話だと思います」
村重
「それはそうなんです。だた、ドラッグラグはなくなるのかなと思って」