厚生労働省のデータは実態を反映しているか
■ 歯学部の現状
【文科省の説明】
続きまして46ページ、これにつきましては中川委員(日本医師会副会長)から歯学部の現状がわかるデータはないかというお尋ねでございました。
例えば中ほどB、歯学部の現状についてのB、入学定員充足率というところでございますが、一番下、平成20年度の96.9%の充足率が平成22年度におきましては84.7%に低下している。
一方、競争倍率も平成20年におきましては2.56倍だったのが、平成22年度におきましては1.74倍に低下している。そういうデータでございます。
▼ 前回会合で、中川委員はこう述べた。
「第1回目ですので、各論の細かいことは申し上げるつもりはございません。今回、厚労省の資料の15ページにありますが、必要医師数の実態調査で、1.1~1.2倍という結果には、現場の感覚からいうと驚いたと思います。ところが、やっぱりこれは、短期的な対処方針としては、絶対数ももちろん十分ではありませんが、日本の医師不足の特徴として、偏在というものが一番大きいんだと思います。その解消策をどうするかが、この検討会の1つの重要な論点かなと思っています。これは医学部の入学から5年生、6年生になった臨床実習をどうするか、それから臨床研修も含めた一体的な改革で、偏在をどう解消するかということの知恵を絞るんだろうと思います。
それから、来年度から8,923名という医学部定員で行けば、2020年、2025年には、例えば目安としてはG7の平均並みにはもう到達するわけですね。そのとき、黒岩委員が言ったことに賛同するんですが、将来的に医師数が過剰になった場合を考えると、やはりこれは既存の医学部の定員数の調整でやっていくべきだと思います。事務局に次回資料を出していただきたいんですが、歯科の先生方、非常に苦労しています。語弊を恐れずに言うと、非常に悲惨な状況というか大問題になっています。定員割れの大学が続出しているわけですね。そういうことも考えれば、今井委員はおっしゃいましたけれども、医学部を新設するということは現時点においては到底あり得ないと、第1回目なのであえて申し上げたいと思います」
【目次】
P2 → 現員医師数に対する必要医師数
P3 → 100平方キロメートルあたりの医師数の分布
P4 → 診療科別医師数の推移
P5 → 看護職員就業者数の推移
P6 → 医師不足の推計に関する主な論文①
P7 → 医師不足の推計に関する主な論文②
P8 → 医師不足の推計に関する主な論文③
P9 → 国公私立大学病院の概況
P10 → 臨床医学研究の論文数
P11 → 医学部の教員数(常勤)の推移
P12 → 歯学部の現状
P13 → 地域の医療ニーズ
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