厚生労働省のデータは実態を反映しているか
文部科学省が昨年末に設置した「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」の初会合で各委員が要望したのは、実態に合った数字の提示だった。
その後、年が明けた1月28日の第2回会合で追加資料が示された。
詳しくは以下の通り(出典:文部科学省「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」第2回資料、議事録)。
【文科省高等教育局医学教育課視学官の説明】
それでは、私の方から参考資料1についてご説明を申し上げたいと思います。お手元に大変恐縮でございますが、要望のあった資料について、参考資料1をご用意いただければと思います。ありがとうございます。
前回、各委員の先生方からこういうデータはないかというようなご要望をいただいたものを事務局の方で文部科学省、厚生労働省、協力してご用意させていただいたものでございます。
10点あったわけでございますが、残りの9と10につきましては若干難しい部分もございますので、引き続き努力をさせていただきたく存じます。
▼ 前回会合で、病床利用率について桑江千鶴子委員(都立多摩総合医療センター産婦人科部長)はこう述べた。
「大体、医師の数というのは、やはり病床あるいは在院日数というところが非常に大きなデータだと思うんですけれども、各国のそのデータを比較したのをいただいたんですが、病床利用率に関して、ベッドはこのぐらいあるんだけれどもどれぐらい利用されているかということが、どうしてもこのデータではないので、ちょっとそこで立ちどまってしまうことがありまして、もし持っていらしたらお願いできたらと思います」
また、平均在院日数について中川俊男委員(日本医師会副会長)はこう述べた。
「厚生労働省の資料3の11ページの平均在院日数の、日本が33.8日とあります。以前から申し上げているんですけれども、慢性期も全部含めた平均在院日数と急性期だけの諸外国と比べてどうするんですか。そういうことを出しているから文部科学省のこの青い冊子にも同じものが出るんです。14ページ。こういう資料を前提には議論はできませんので、本当に注意してください」
【目次】
P2 → 現員医師数に対する必要医師数
P3 → 100平方キロメートルあたりの医師数の分布
P4 → 診療科別医師数の推移
P5 → 看護職員就業者数の推移
P6 → 医師不足の推計に関する主な論文①
P7 → 医師不足の推計に関する主な論文②
P8 → 医師不足の推計に関する主な論文③
P9 → 国公私立大学病院の概況
P10 → 臨床医学研究の論文数
P11 → 医学部の教員数(常勤)の推移
P12 → 歯学部の現状
P13 → 地域の医療ニーズ
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