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高齢者医療を守るのは誰か (下)

■ 「地域の救急医療が崩壊する」 ─ 鈴木委員
 

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 それでは鈴木委員、お願いします。

[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
 まああの......。北村委員からご指摘がありましたけれども、1年以上、なぜ一般病棟にいらっしゃるのかということなんですが、(語気を強めて)状況によってね、いろいろ違うと思うんですよ。

 例えばですね、長期後が1病棟しかないような地方に、医療支援が少ないような所というのはですね、急性期後の受け皿がありませんから、一般病棟の13対1、15対1しか(患者を)取れないんですね。患者さんを移せないんですよ。

 老健(施設)なんかを併設している所なんかもあるんですけど、それでも重度の人は移せませんから、やっぱり「特定(患者)」以上の重度の人を一般病棟に......ということもあってですね......。

 複数病棟があるようなね、病院ですと、移したりとか当然するわけでしょうけど、そういう事情もあって、そういう、おっしゃったようなことがあるんだと思います。

 それと、「病名が似てる」ということをおっしゃるんですけれども、それは(一般病棟の13対1、15対1と医療療養病棟の20対1、25対1が)「同じようだ」と言いたいところなんでしょうが、実際は、例えば廃用症候群にしても、これはもう最後の状況のようなもんで、あらゆるものが廃用症候群でですね、脳血管障害もまあ、かなりそういう意味合いもあると思うんですね。

 ですから、状態の重さがかなり違う場面があるんじゃないかなと思うので、そういうものが検査とか......ではないかなあと思うので......。

 私、この話でですね、一番心配しているのは、本当に医療資源の少ない、地方の小規模のですね、1病棟しかない一般病院......

 13対1、15対1の病院がですね、地域医療を担っている唯一の病院であると思うんですが、そういう所がもしですね、もし一般病棟としての診療ができなくなりますと、地域の救急医療が崩壊する。

 実際、私の住んでいる所、(茨城県常陸大宮市)北町はですね、そういう50床の一般病棟2つと19床の有床診療所で、1週間交替で輪番制の救急を年間1000件以上も受けている。40年以上、「たらい回し」なしでやってるんですね。

 もしそれが、病院がなくなるということになったときには、非常に............経営も非常に苦しいんです............(小声で聴き取れず)......、でも見るにみかねてですね、近くに住んでいるからみんなね、来てくれたりしてやってるんですね......。

 そういうような所をね、潰しちゃいけないということが1つあります。まあ、そういう状況がある。

 私がちょっと理解できなかったのは、25......、前回の改定で25対1の報酬が下がったわけです。

慢性期報告書スライド-002.jpg

 それでも25対1の収支が......。

 ▼ 医療療養病床を有する病院の21年度と22年度の1月当たりの収支状況を確認したところ、20対1病棟を有する病院、25対1病棟を有する病院ともに1病床当たりの収支差額は増加していた。

慢性期報告書スライド-009.jpg

 これはどうしてなのか、ちょっと理解できないんですね......。

 ▼ 2010年度改定で減点された25対1病棟の収支差がよくなっているのは不自然という意味。こともあろうに、わざわざ鈴木委員が指摘した。

 (調査)対象が16医療機関と非常に少ないので......、これはやはり、何かの間違いではないかと思うんです。これはなぜこういうことになったのか......、おききしたい。

 それからもう1つはですね、「特定除外」のですね、記載の話ですけれども、これもですね、実際細かく見ると、書けばいいっていう......、あの、なんか分かるのと......

慢性期報告書スライド-023.jpg

(語気を強めて)それからね、曖昧なところがあるんですよ! 

 例えば6号の「リハビリテーションを実施している状態」っていうのは、リハビリテーション料の算定上......と書いてあって、結局、書いていいのか書かなきゃいけないのか、まあ、とにかくリハビリテーションやれば病名は入りますからね......、やってるってことは一目瞭然なんで、そういう場合にたぶん、かなり............ (だんだん小声に)

 もし、でも、書くということであれば、例えばそれを特定するということでですね、まあ、それを理由に何か、ちょっと、ですね、別のことを考えるのはちょっと......(笑い)......、やめていただきたい......、というふうに思っております。 (他の委員も笑い)

[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
 (たんたんとした口調で)今のご質問の部分について、池上分科会長、お願いします。
 

【目次】
 P2 → 「慢性期医療は相当大きな課題になる」 ─ 北村委員
 P3 → 「ちょっと分からないんですけど」 ─ 池上分科会長
 P4 → 「もう少し追究する必要がある」 ─ 安達委員
 P5 → 「地域の救急医療が崩壊する」 ─ 鈴木委員
 P6 → 「結論から言えば理由は分からん」 ─ 池上分科会長
 P7 → 「ちょっとおかしいんじゃないかな」 ─ 西澤委員
 P8 → 「数字を出されて独り歩きする」 ─ 嘉山委員
 P9 → 「数値の解析以上はできません」 ─ 池上分科会長
 P10 → 「調べないと地域医療が崩壊します」 ─ 嘉山委員
 P11 → 「認知症は医療・介護連携の要になる課題」 ─ 中島委員
 P12 → 「大事なことなんで、ぜひお願いしたい」 ─ 西澤委員

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