高齢者医療を守るのは誰か (下)
■ 「ちょっとおかしいんじゃないかな」 ─ 西澤委員
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
今の鈴木委員のあの......、レセプト調査結果の資料8なんですが......。
20年度(調査)の比較で、20対1はこれで、25対1は現状ですけれども、本当に......、22年度(調査)は20対1と25対1に分けているんですが、20年度は......、まとめて......(調査したのか)。
▼ 申し訳なさそうに小声でボソボソと指摘。語尾が聴き取れなかった。
[厚労省保険局医療課・鈴木康裕課長]
医療課長でございます。これは22年度の改定の時に、20対1と25対1を別の点数体系にしましたので、20年度については分けてきいていないということで、このデータしかないということです。
▼ さすが厚労省。どうでもいいデータは山ほど出し、肝心のデータは知らんぷり。しかし、はっきりした口調で堂々と話すので、「なるほど、そうなんですね」と妙に納得してしまう。言い回しもうまい。「このデータしかありません」と言われれば、「何やってんだ」「どうにかしろ」と言いたくもなるが、「このデータしかないということです」と伝聞調なので、「あなたに言っても仕方ないんですね」と思ってしまう(のは私だけか)。
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
ただあの......、ここで見ると、20年と比較して20対1はどうか、25対1は......、ちょっとそういうふうな結論を出すのはちょっとおかしいんじゃないかな......、という気がいたします。
▼ 「ですから」と続けて、もう一押しほしいところ。前回の22年度改定をはさんで看護職の配置数が変化している病院があるので、その収支差の変化を考えずに単純に「増えた減った」と論じるのはいかがか、という疑問かと思われる。しかし、そこまで推察しながら聴いてくれる人はどのぐらいいるだろう。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
はい、嘉山委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「慢性期医療は相当大きな課題になる」 ─ 北村委員
P3 → 「ちょっと分からないんですけど」 ─ 池上分科会長
P4 → 「もう少し追究する必要がある」 ─ 安達委員
P5 → 「地域の救急医療が崩壊する」 ─ 鈴木委員
P6 → 「結論から言えば理由は分からん」 ─ 池上分科会長
P7 → 「ちょっとおかしいんじゃないかな」 ─ 西澤委員
P8 → 「数字を出されて独り歩きする」 ─ 嘉山委員
P9 → 「数値の解析以上はできません」 ─ 池上分科会長
P10 → 「調べないと地域医療が崩壊します」 ─ 嘉山委員
P11 → 「認知症は医療・介護連携の要になる課題」 ─ 中島委員
P12 → 「大事なことなんで、ぜひお願いしたい」 ─ 西澤委員